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現役ドラフトで唯一の一軍経験なし…日本ハム移籍の水谷瞬は「第2の万波中正」になるか?

2023 12/11 11:00SPAIA編集部
水谷瞬,ⒸSPAIA
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元ドラフト1位が3人も指名された第2回現役ドラフト

2023年の現役ドラフトが8日に行われ、リストアップされた中から12人の選手が指名された。

出場機会に恵まれない選手や才能を伸ばし切れていない選手に飛躍のチャンスをつかませることが狙いで、初めて実施された昨年の指名選手ではソフトバンクから阪神に移籍した大竹耕太郎やDeNAから中日に移籍した細川成也が新天地で大活躍。環境を変えることで埋もれた才能を開花させるという狙いが果たされた好例となった。

2023年もDeNAが指名したロッテ佐々木千隼、巨人が指名した阪神・馬場皐輔、オリックスが指名した中日・鈴木博志と元ドラフト1位が3人もおり、プロ入り後の厳しい競争やケガの苦しみなどを物語っている。移籍することで心機一転が図れ、気持ちも奮い立つだろう。どの選手が新天地で輝くのか楽しみだ。

12人中最も若い22歳、唯一の一軍出場なし

ただ、12人の中で唯一、一軍出場経験のない選手がいる。日本ハムに指名されたソフトバンク水谷瞬だ。

ナイジェリア人の父を持ち、身長193センチ、体重99キロの恵まれた体格と高い身体能力を誇る大型外野手。石見智翠館高から2018年ドラフト5位で入団し、12人の中で最も若い22歳だ。

「埋もれた才能」というよりは「これから輝く可能性を秘めた原石」といった印象が強く、現役ドラフトの本来の趣旨からは外れるかも知れない。高卒5年での放出は、好素材の選手をリストアップすることで指名順が早く回ってくる可能性が高まるというルールを睨んだ意図もあるだろう。

一軍出場こそないものの、2023年は二軍で83試合に出場して打率.259、4本塁打、35打点をマーク。着実に成長の跡を示しており、水谷が新天地で「化ける」可能性は決して低くない。

万波中正を大成させた日本ハム

日本ハムと言えば、コンゴ人の父を持ち、高い身体能力で今季25本塁打を放った万波中正がいる。新庄剛志監督の下、主軸としてシーズンを通して活躍し、2024年はさらなる飛躍を予感させる期待の長距離砲。実は水谷と同じ2018年ドラフト組で同学年だ。

万波が素質を開花させたのは本人の努力が一番なのはもちろん、首脳陣の指導を含めて育成に長けた球団の土壌もあるだろう。ダルビッシュ有や大谷翔平の例を出すまでもなく、中田翔、近藤健介、清宮幸太郎ら高卒野手を育ててきた実績がある。

水谷は九州から遠く離れた北の大地で秘めた素質を開花させるだろうか。現役ドラフト直後には広報を通じて下記のコメントを発表。今後の活躍が期待される。

「ホークスで活躍したかったという思いや寂しい気持ちがありますが、新しいチームで野球選手として成長するチャンスをいただいたと前向きに考えています。日本ハムは、自分と同世代の選手が主力として試合に出ている印象がありますので、チームに入ればやってやろうという気持ちが高まっていくと思います。

これまで福岡のファンの皆さんにはたくさんの声援をいただきました。結果で応えられず申し訳ない気持ちがありますが、新しいチームで活躍できるよう頑張りますので、これからも見守っていただければ嬉しいです」

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