通算303本塁打、打点王3回の中田翔を獲得
2年連続最下位に終わった中日が今オフ、積極的に補強している。最大の目玉が中田翔。大阪桐蔭高時代に通算87本塁打を放ち、ドラフト1位で日本ハムに入団後は3度の打点王に輝くなどスラッガーとして活躍した。
2021年シーズン中に不祥事が発覚し、無償トレードで巨人に移籍。プロ生活16年で通算1523安打、303本塁打、1062打点をマークしている。
中日は今季のチーム打率がリーグワーストの.234。チーム総得点はリーグ5位の広島より100点以上少ない390点で同じくワーストだ。
その原因のひとつが広いバンテリンドームナゴヤ。チーム本塁打は1位・巨人の半分以下の71本で、これもリーグワーストだった。2022年の62本塁打よりは増えたとはいえ、現役ドラフトで加入した細川成也が24本塁打を放ってもこの数字だから状況は深刻だ。
その課題を一気に解消してくれる可能性を秘めるのが中田。2023年は15本塁打にとどまったが、2022年には24本塁打を放つなどパワーは衰えていない。
何より打点王3度の勝負強さは魅力だろう。先述の細川だけでなく、岡林勇希や石川昂弥ら生え抜きの若手野手と中田が嚙み合えば、得点力のアップは十分に期待できる。結果がついてくるなら、推定2年6億円と報じられている年俸も決して高い買い物ではないと言える。
細川成也、中田翔、石川昂弥の和製クリーンアップ誕生?
さらに巨人を戦力外になった中島宏之、ソフトバンク時代の2018年に22本塁打を放った実績を持つ上林誠知、阪神を戦力外になった山本泰寛と板山祐太郎(育成契約)も獲得した。
中島は西武時代に最多安打や最高出塁率のタイトルを獲得した41歳のベテラン。レギュラー奪取は無理でも、ここ一番での代打など豊富な経験でもうひと花咲かせたい。通算1928安打を放っており、あと72本に迫る2000安打もモチベーションとなるだろう。
8日に行われた現役ドラフトでは、ヤクルトの梅野雄吾を指名。野手ではなく投手だったが、2019年に68試合に登板して2勝3敗4セーブ28ホールドをマークしたこともあり、中継ぎとして期待できる。
ダヤン・ビシエドの去就が未定だが、2023年は打率.244、6本塁打、23打点と年々パフォーマンスが落ちていることを考えると、仮に退団しても補強した選手で十分にカバーできそうだ。
1番・岡林からベテラン大島洋平がつなぎ、細川成也、中田翔、石川昂弥で和製クリーンアップが組めれば破壊力は増す。右打者が並ぶのを避ける意味では上林誠知への期待も高い。
さらに未知数ではあるが、ドラフト2位の津田啓史(三菱重工East)や同3位の辻本倫太郎(仙台大)が出てくる可能性もある。高橋周平や福永裕基、村松開人、龍空らも黙ってはいないだろう。
振り返れば2013年から11年間でAクラスに入ったのは2020年(3位)の一度だけ。長期低迷にあえぐ中日は復活するのか。辰年の2024年、積極補強の成果に注目だ。
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