松山晋也が来季の守護神候補に名乗り
2023年のプロ野球も新人選手たちの活躍が光った。オリックスの育成4位・茶野篤政は開幕前に支配下登録され、育成出身ルーキー初の開幕スタメンを奪取。阪神のドラフト1位・森下翔太は、球団の右打者としては43年ぶりの2桁10本塁打を記録し、日本シリーズでも新人最多タイの6打点を挙げるなど、球団38年ぶりの日本一に大きく貢献した。
そこで今年の新人たちが一軍でどのような活躍を見せたのか、球団ごとにルーキーの通信簿を作成した。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目について、5段階で評価している。
今回は球団史上初の2年連続セ・リーグ最下位となった中日のルーキーたちを見ていく。
投手では育成ドラフト1位の松山晋也が大活躍。6月に支配下登録を勝ち取ると、150キロ超の速球で押す投球で一軍に定着し、8月以降はセットアッパーとして19試合連続無失点を記録した。最終的に36試合に登板して1勝1敗17ホールド、防御率1.27と素晴らしい成績を残した。
また1位入団の仲地礼亜も一軍で能力の一端を示した。5月に一軍デビューを果たすと、7月26日のDeNA戦で6回1安打無失点の好投で、プロ初勝利。ルーキーイヤーは9試合に先発して2勝5敗、防御率4.98の成績を残した。
投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。
松山はストレートの平均球速が150キロ超えの151.3キロをマークし、球威の評価は「4」。K%は34.2とリーグ平均(19.3)を大きく上回る驚異的な数値を叩き出し、奪三振は最高評価の「5」。BB%は9.6と制球もまとまっており、FIPは1.84で総合評価も最高の「5」となった。来季は守護神候補としてさらなるアピールが期待される。
一方の仲地は、ストレートの平均球速が147.5キロと先発としては優秀で、球威の評価は「4」。K%は19.1とリーグ平均(19.5)並みで奪三振評価は「3」、BB%は12.9とやや四球が多く、FIPも4.81とリーグ平均(3.51)を下回り、制球力、総合評価はともに「2」となった。来季は開幕ローテ入り、そしてシーズン通してローテーションを守り通すことができるか注目だ。