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【ルーキー通信簿】中日は育成1位の松山晋也が「勝利の方程式」入りと大躍進 4選手が一軍で爪痕残す

2023 12/2 06:00SPAIA編集部
中日のルーキー通信簿,ⒸSPAIA
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松山晋也が来季の守護神候補に名乗り

2023年のプロ野球も新人選手たちの活躍が光った。オリックスの育成4位・茶野篤政は開幕前に支配下登録され、育成出身ルーキー初の開幕スタメンを奪取。阪神のドラフト1位・森下翔太は、球団の右打者としては43年ぶりの2桁10本塁打を記録し、日本シリーズでも新人最多タイの6打点を挙げるなど、球団38年ぶりの日本一に大きく貢献した。

そこで今年の新人たちが一軍でどのような活躍を見せたのか、球団ごとにルーキーの通信簿を作成した。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目について、5段階で評価している。

今回は球団史上初の2年連続セ・リーグ最下位となった中日のルーキーたちを見ていく。

中日のルーキー通信簿インフォグラフィック


投手では育成ドラフト1位の松山晋也が大活躍。6月に支配下登録を勝ち取ると、150キロ超の速球で押す投球で一軍に定着し、8月以降はセットアッパーとして19試合連続無失点を記録した。最終的に36試合に登板して1勝1敗17ホールド、防御率1.27と素晴らしい成績を残した。

また1位入団の仲地礼亜も一軍で能力の一端を示した。5月に一軍デビューを果たすと、7月26日のDeNA戦で6回1安打無失点の好投で、プロ初勝利。ルーキーイヤーは9試合に先発して2勝5敗、防御率4.98の成績を残した。

投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。

松山はストレートの平均球速が150キロ超えの151.3キロをマークし、球威の評価は「4」。K%は34.2とリーグ平均(19.3)を大きく上回る驚異的な数値を叩き出し、奪三振は最高評価の「5」。BB%は9.6と制球もまとまっており、FIPは1.84で総合評価も最高の「5」となった。来季は守護神候補としてさらなるアピールが期待される。

一方の仲地は、ストレートの平均球速が147.5キロと先発としては優秀で、球威の評価は「4」。K%は19.1とリーグ平均(19.5)並みで奪三振評価は「3」、BB%は12.9とやや四球が多く、FIPも4.81とリーグ平均(3.51)を下回り、制球力、総合評価はともに「2」となった。来季は開幕ローテ入り、そしてシーズン通してローテーションを守り通すことができるか注目だ。

野手は村松開人と福永裕基が即戦力で活躍

野手では、明治大からドラフト2位で入団した村松開人と日本新薬から同7位で入団した福永裕基が1年目から一軍の戦力となった。

村松は98試合に出場し、打率.207、1本塁打、20打点をマーク。5月14日のヤクルト戦でプロ初本塁打をグランドスラムで記録し、5月27日のDeNA戦、6月2日のオリックス戦でサヨナラ打を放つなど、勝負強さを見せた。

一方の福永は26歳のオールドルーキーとして開幕スタメンを勝ち取ると、4月は月間打率3割超えを記録。しかし、徐々に調子を落とし8月には21打数1安打と打撃不振で、二軍落ちも経験した。最終的には97試合に出場して打率.241、15打点、2本塁打の成績だった。

野手の各項目は、パワーがリーグの平均ISO(=長打率-打率:長打力を示す指標)、選球眼は同BB/K(四球と三振の割合から打者の選球眼を見る指標)、走力は同spd(走力を示す指標)、貢献度は同wRC(特定の打者が生み出した得点を示す指標)から算定している。

村松はBB/Kが0.31とリーグ平均(0.37)並みの数字を記録した一方で、ISOは.033でパワーの評価は「1」、spdは2.30と走力でも平均を下回った。98試合の出場でwRC9.8は1年目とはいえ物足りない。球団は今年のドラフトでも二遊間の選手を上位指名しており、来季は競争がより激化する。レギュラーをつかみ取るためには、打力アップは必須だろう。

福永はISOが平均(.118)以下の.082でパワー評価は「2」となったが、BB/K(0.32)とspd(3.0)は平均をやや下回ったが評価はともに「3」。wRCも27.0をマークし、貢献度の評価は「3」となった。このオフは一年間戦える身体を作り上げ、2年目の飛躍につなげたい。

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