申請最終日にFA権行使を発表
西武は14日、山川穂高内野手(31)が国内フリーエージェント(FA)権を行使することを発表した。
沖縄出身の山川は、中部商高から富士大を経て2013年ドラフト2位で西武に入団。3年目の2016年に49試合の出場で14本塁打を記録すると、2018年に47本塁打を放ち、自身初タイトルを獲得。チームのリーグ優勝にも貢献した。
翌2019年も43本塁打で2年連続本塁打王となり、リーグ連覇に大きく貢献。2022年には本塁打、打点の2冠に輝くなど主砲として活躍した。今季は自身の不祥事により、わずか17試合の出場にとどまったが、故障者特例措置により国内FA権を取得した。
球団は単年契約での残留を要請していたが、申請最終日となるこの日に権利行使へと踏み切った。15日にFA宣言選手として公示され、16日から西武含め国内全球団との交渉が可能となる。
球団からの公式戦出場停止処分は解けていないが、10月のフェニックス・リーグで約5カ月ぶりに実戦復帰。他球団も視察する中、15日のオリックス戦で久々の本塁打を放つなど、9試合に出場して打率.375、2本塁打、6打点の成績を残していた。
今季年俸は2億7000万円(推定)で、補償が必要なAランクに相当。通算218本塁打を誇る大砲の獲得をめぐって、複数球団による争奪戦へと発展するのか、注目が集まる。
山川選手は球団を通じて以下の通りコメントした。
山川穂高選手コメント全文
この度、私が取得させて頂いたFA権の行使について、皆様にお伝えさせて頂きます。
結論を先に申し上げますと、今回、FA宣言をさせて頂くことを決断致しました。
皆様に多大なる不快な気持ち、不信感を生んでしまった一連の出来事を通じて、ただ野球をするということだけではなく、関係する全てのことを、自分ひとりで考え、また、家族と考えさせて頂きました。
野球から離れることだけではなく、社会から離れることまでも考えました。
それでも、私の心から消えずに残り続けたことは、野球がやりたい、野球をさせて頂きたいという答えでした。
プロ野球選手として恥ずべきことですが、ここまでの気持ちになったのは、これまでの野球人生で初めてのことです。
この私の意志を受け入れて頂けることがあるならば、ライオンズに居続けることが、ファンの皆様、球団の皆様に対する感謝の形、謝罪の形、誠意であるということも考えています。
同時に、FA宣言が持つ、選手の権利として定められた制度という理解を超え、これまで聞くことがなかった声をお聞かせ頂くことで、自分自身を戒めることとなるのではないかとも考えました。
FA宣言により西武ライオンズ以外の球団の考えを聞いた上で、残留か移籍の判断をさせて頂くことは、新たな野球人生へと歩ませて頂きたいという、私の一方的な願い、自分本位な意思のように聞こえてしまうであろうことも、重々承知しております。
それでも、私が宣言させて頂くことで、何より、私自身のこれからの野球人生に対して、重い責任を持ち続けることの覚悟であることを、どうか少しでもご理解いただけたら幸いです。
結びになりますが、ご伝達が遅れましたことにつきまして、誠に申し訳ございませんでした。
お待ちいただき、また、ご心配いただきましたこと、心より感謝申し上げます。
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