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昨年は投手偏重の指名だった楽天 今年は野手ドラフトを敢行?【球団別ドラフト指名傾向】

2023 10/23 06:00SPAIA編集部
楽天の荘司康誠,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

初回入札は高校生重視

今年は10月26日に開催されるプロ野球ドラフト会議。本番まで1週間を切り、各球団の編成担当は当日に向けて候補選手の最終確認、絞り込みに追われていることだろう。

本記事ではそのドラフトに向けてSPAIAに掲載している「ドラフト歴代指名選手一覧」を使用し、球団ごとにどのような指名傾向があるのか、過去のドラフトから探ってみたい。第6回は楽天編。

【ドラフト歴代指名選手一覧ページはこちら】

はじめに、全体の指名傾向を見ていく。2004年以降、楽天は合計166人(育成含む)の選手を指名しており、そのうち投手が86人で全体の約52%と半分程度となっている。高校生、大学生、社会人(独立リーグ含む)の割合は、それぞれ約34%、36%、30%。社会人がやや少ないが、ほぼ同程度の割合で指名している。

2004年以降のポジション、候補選手別指名人数,ⒸSPAIA 2004年以降の各分類別指名人数


次に、より具体的に近年の傾向を探るため、2013年以降の過去10年間において、上位指名(3位以上)を中心にどのような傾向があるのか見ていく。

まずは1位指名。楽天は2013年からの10年間で8度競合している。本命がいれば特攻も辞さず、「くじ運」も5球団競合の松井裕樹、4球団競合の早川隆久を引き当てるなど4勝4敗(再抽選も含めると5勝5敗)と悪くない。昨年もロッテと競合の末、荘司康誠を獲得した。

2013年以降の1位指名選手,ⒸSPAIA 過去10年のドラフト1位


ポジション別でみると、投手6人、内野手1人、外野手3人。他球団と違い、外野手を積極的に1位で指名している。また、初回の入札では高校生8人、大学生2人と高校生を重視しているのも特徴的だろう。

補強ポイントの選手を重点的に指名

ここからは上位指名(3位以上)について見ていく。1位指名は初回入札が高校生重視、外野手指名に積極的という特徴があったが、3位まで範囲を広げると、「投手3」の年が2度、「投手2・野手1」が3度、「投手1・野手2」が3度、「野手3」が2度と、偏った指名をしていることがわかる。

特に、最近3年は「投手3」と「野手3」の指名を交互に繰り返している。特に、2020年と2022年はともに指名した6人中5人が投手と、かなり投手偏重になっている。また、昨年はドラフト初参加となった2004年以来、高校生の支配下指名がなかった。

過去10年のドラフト3位までの指名選手,ⒸSPAIA 過去10年ドラフト3位までの指名選手(青色で塗られている選手は投手)


ただ、10年間では野手をちょうど半分の15人指名しており、その内訳は捕手2人、内野手6人、外野手7人と、1位に引き続き外野手が一番多い。補強ポイントとみれば、高い順位を使ってでも、そのポジションの選手を指名する傾向にあると言えるだろう。

以上より楽天の指名傾向をまとめると、以下の通りとなる。

・高校生、大学生、社会人バランス良く指名
・1位の初回入札は高校生重視
・外野手も積極的に上位指名
・年度ごとに重点的に補強ポイントの選手を指名

年度によってかなり偏りがみられる楽天のドラフト。昨年は投手偏重だったため、順番的に今年は野手の上位指名が多くなりそうだが、市場的には投手が豊作と言われている。果たして今年はどのような指名を見せるのか、当日を楽しみに待ちたい。

※選手のポジションは指名当時

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