昨年球団初の高校生外野手を1位指名
今年は10月26日に開催されるプロ野球ドラフト会議。本番まで1週間を切り、各球団の編成担当は当日に向けて候補選手の最終確認、絞り込みに追われていることだろう。
本記事ではそのドラフトに向けてSPAIAに掲載している「ドラフト歴代指名選手一覧」を使用し、球団ごとにどのような指名傾向があるのか、過去のドラフトから探ってみたい。第5回は巨人編。
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はじめに、全体の指名傾向を見ていく。2004年以降、巨人は合計222人（育成含む）の選手を指名しており、そのうち投手が119人で全体の約54％と半分以上。高校生、大学生、社会人（独立リーグ含む）の割合は、それぞれ約41％、35%、24%と高校生の割合が大きくなっている。
2004年以降の各分類別指名人数
次に、より具体的に近年の傾向を探るため、2013年以降の過去10年間において、上位指名（3位以上）を中心にどのような傾向があるのか見ていく。
まずは1位指名。巨人は2013年からの10年間で8度競合している。強気の指名が目立つが、「くじ運」は悪く1勝7敗。再抽選も含めると11連敗中だったが、昨年11年ぶりに当たりくじを引き、浅野翔吾の獲得に成功した。
過去10年のドラフト1位
ポジション別でみると、投手6人、捕手1人、内野手2人、外野手1人。投手が多いのは他球団と変わらないが、比較的バランス良く指名している。昨年、外野手の浅野を1位指名したが、これは1967年の高田繁（明大）、1997年の高橋由伸（慶大）、2009年の長野久義（ホンダ）に次いで4人目で、高校生外野手は球団史上初だった。
補強ポイントは連続指名も厭わず
ここからは上位指名（3位以上）について見ていく。1位はバランス良く各ポジションの選手を指名していた巨人だが、3位までに範囲を広げると、「投手2・野手1」が6度、「野手2・投手1」が3度、「投手３」が1度と、より投手の割合が大きくなっている。
また、指名全体では高校生の指名が一番多かったが、上位指名では高校生が10人、大学生13人、社会人7人と高校生の割合が小さい。巨人は毎年育成選手の指名にも積極的で、高校生は育成、より完成された大学生、社会人は支配下で指名する傾向にあるようだ。
過去10年ドラフト3位までの指名選手（青色で塗られている選手は大学生）
10年間で12人指名している野手の内訳は、捕手3人、内野手5人、外野手4人と大きな偏りはない。特徴的なのが、昨年は1位と2位で連続して外野手、2017年は2位と3位続けて捕手を指名。補強ポイントとみれば、同ポジションの選手を重ねて指名することも厭わないところだろう。
以上より巨人の指名傾向をまとめると、以下の通りとなる。
・指名全体では高校生中心、支配下は大学生、社会人の割合増
・1位は競合してでも本命指名
・ポジションはバランス良く
・補強ポイントは重点的に
球団史上初めて同一監督による2年連続Bクラスに終わり、阿部慎之助新監督にバトンタッチした巨人。投手陣に課題を抱えていただけに、ドラフトでも豊作の大学生投手から競合覚悟で本命を指名する可能性が高いだろう。昨年は原辰徳監督がくじ引き役を務め、見事に引き当てた。今年も抽選となった場合、阿部新監督が初の大役を務めるのかにも注目だ。
※選手のポジションは指名当時
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