1位は投手が基本線?
今年は10月26日に開催されるプロ野球ドラフト会議。本番まで1週間を切り、各球団の編成担当は当日に向けて候補選手の最終確認、絞り込みに追われていることだろう。
本記事ではそのドラフトに向けてSPAIAに掲載している「ドラフト歴代指名選手一覧」を使用し、球団ごとにどのような指名傾向があるのか、過去のドラフトから探ってみたい。第3回はヤクルト編。
【ドラフト歴代指名選手一覧ページはこちら】
はじめに、全体の指名傾向を見ていく。2004年以降、ヤクルトは合計138人(育成含む)の選手を指名しており、そのうち投手が78人で全体の約57%と半分以上を占めている。高校生、大学生、社会人(独立リーグ含む)の割合は、それぞれ約33%、34%、33%とほぼ均等に指名していた。
2004年以降の各分類別指名人数
次に、より具体的に近年の傾向を探るため、2013年以降の過去10年間において、上位指名(3位以上)を中心にどのような傾向があるのか見ていく。
まずは1位指名について。ヤクルトは2013年からの10年間でなんと8度も競合している。昨年の単独指名は2016年以来6年ぶりだった。とにかく競合上等で、一番評価した選手に入札する姿勢が見てとれる。ただ、抽選で当たった確率は1勝7敗(再指名も入れると4勝9敗)と低い。ちなみに、過去をさらに遡ると、2009~2015年まで7連敗を喫している。
過去10年のドラフト1位(青色で塗られている選手は投手)
また、ポジション別でみると、村上宗隆を獲得した2017年以外、投手を指名している。2015年は髙山俊(外野手)、2018年は根尾昂(内野手)の抽選を外しての投手指名となったが、それにしても偏っている。突き抜けた野手がいない限りは、基本的に1位は投手という方針なのだろう。