1位指名は競合から一本釣り傾向に
今年は10月26日に開催されるプロ野球ドラフト会議。本番まで1週間を切り、各球団の編成担当は当日に向けて候補選手の最終確認、絞り込みに追われていることだろう。
本記事ではそのドラフトに向けてSPAIAに掲載している「ドラフト歴代指名選手一覧」を使用し、球団ごとにどのような指名傾向があるのか、過去のドラフトから探ってみたい。今回は中日編。
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はじめに、全体の指名傾向を見ていく。2004年以降、中日は全体で156人(育成含む)の選手を指名しており、そのうち投手が86人で全体の約55%となっている。高校生、大学生、社会人(独立リーグ含む)の割合は、それぞれ約34%、37%、29%で、やや大学生が多めの傾向にあるようだ。
2004年以降の各分類別指名人数
次に、より具体的に近年の傾向を探るため、2013年以降の過去10年間において、上位指名(3位以上)を中心にどのような傾向があるのか見ていく。
過去10年のドラフト1位(青色で塗られている選手は高校生)
まず1位指名は過去10年で6度抽選となっており、そのうち3度(はずれ1位も含めると4度)当たりくじを引き、柳裕也、根尾昂、石川昂弥を獲得している。だが、強気の指名が目立ったこれまでとは一転、ここ3年は単独指名に。競合覚悟から一本釣りへと路線変更している気配が感じられる。
また、2017年からは4年連続で高校生を指名(2017年は中村奨成の抽選を外し、外れ1位で鈴木博志を獲得)していたが、2021年、2022年と大学生を1位指名。この2年は2位でも大学生を指名しており、近2年は大学生2人を上位指名と、より即戦力性を求めた指名となっている。
さらに、2013年からの5年間で1位は投手のみだったが、近5年は野手を3人(根尾は内野手として指名)も指名している。以前にも2011年の高橋周平など野手の1位指名はあったが、ここまで野手に集中するのは大きな変化と言えるだろう。それだけ野手の選手層に不安があったのかもしれない。