「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

ヤクルトのドラフト補強ポイント 1位指名は即戦力投手か、縁深いENEOS・度会隆輝か

2023 10/11 06:00SPAIA編集部
ヤクルトの高津臣吾監督,ⒸSPAIA
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

粒ぞろいもエース不在の先発陣

今季は球団史上初のリーグ3連覇を目指してシーズンに臨んだが、まさかの5位に終わったヤクルト。投手では高橋奎二や奥川恭伸、野手では主将の山田哲人や塩見泰隆ら主力がコンディション不良で複数離脱した影響もあり、終始投打がかみ合わなかった。

高津臣吾体制5年目となる来季は、巻き返しを期すシーズンとなる。10月26日に開催されるドラフト会議では、チーム再建に向けての戦力強化において最重要の場となる。本稿では、現時点で在籍する選手のポジション・年齢等の分布表から戦力を考察した上で、指名候補も含めヤクルトのドラフト補強ポイントを考えていく。

【過去のドラフト指名選手一覧はこちら】

先発投手,ⒸSPAIA


投手陣は今季のチーム防御率がリーグワーストの3.66、特に先発防御率3.95はリーグで唯一の3点台後半だった。顔ぶれは小川泰弘、サイスニード、高橋奎二、ピーターズ、石川雅規と悪くはないが、柱となる投手がいない。小川が10勝を挙げるも防御率は3.38、年齢も来年34歳とベテランの域にさしかかっている。

若手では、高橋奎二、奥川恭伸、昨年のドラフト1位・吉村貢司郎と候補はいるが、いずれも故障や不調でローテーションを守り切れなかった。彼らに刺激を与える意味でも、上位で将来のエース候補の指名を検討したい。

リリーフ投手,ⒸSPAIA


リリーフ陣は昨季の守護神・マクガフが抜けた穴を、田口麗斗が補って余りある活躍を見せた。連覇を支えた清水昇はやや成績を落としたものの、チーム最多の56試合に登板。木澤尚文も同じく56試合に登板し、ブルペンを支えたが、後に続く投手が固まらなかった。

軸となる選手は揃っているので、上位で指名するほどではないかもしれないが層は厚くしておきたいところ。ドラフトでは先発候補を補充し、田口のように現有戦力の先発候補をリリーフに回すという手もあるだろう。

充実の野手陣、センター候補がやや不足気味か

捕手,ⒸSPAIA


捕手では、正捕手の中村悠平がチーム最多の94試合にスタメン出場。高卒3年目の内山壮真が打力を買われて外野でも起用されるなど、自己最多の94試合に出場して経験を積んだ。特に補強を急ぐ必要はないが、支配下で5人、育成を合わせても7人しかいないので補充は必要となる。

内野手,ⒸSPAIA


続いて内野手。一、三塁にはオスナと村上宗隆という絶対的レギュラーがいる上、昨年のドラフトで西村瑠伊斗、北村恵吾とその後釜候補もしっかり指名したため、今年指名の優先度は低いだろう。

二遊間も山田と長岡秀樹がレギュラーに君臨。その後ろにも元山飛優、武岡龍世と活きのいい若手が控えており、こちらも補強の必要性は感じない。好素材が思いもよらぬ下位で残っていたら指名する程度に落ち着きそうだ。

外野手,ⒸSPAIA


外野手は正センターの塩見泰隆がコンディション不良で51試合の出場にとどまったのが、誤算だった。塩見が離脱している間、並木秀尊や丸山和郁らがスタメン起用されたが、打力不足は否めず。また、レフトも41歳の青木宣親が最多の55試合でスタメンとレギュラーが定まりきらなかっただけに、打撃に長けた外野手を指名しておきたい。

上位指名は大学生の先発投手を複数指名か

以上のことから、以下の3つを優先補強ポイントとして挙げたい。

1.誰もが認めるエース候補
現在のチーム状況を考えると、やはり先発投手が最優先、エースとなれる逸材を1位指名しておきたい。今年は大学生投手が豊作のため、候補は多い。最速158キロ左腕の東洋大・細野晴希に、今年の大学選手権決勝で完封勝利を飾った青学大・常廣羽也斗、安定感抜群の大型左腕、国学院大・武内夏暉らエース候補を単独で指名できる可能性がある。

また、ヤクルトは2位指名が全体の15番目と早いため、うまくいけばエース候補を2人獲得できるかもしれない。一気に先発陣の層を厚くできるチャンスと言えるだろう。

2.塩見タイプのセンター候補
充実の野手陣だが、センター候補は確保しておきたい。塩見のように走攻守揃った身体能力の高い選手となれば、山梨学院大の宮崎一樹が筆頭候補。俊足と強肩が武器で粗さは残るがパンチ力ある打撃も魅力だ。

かつてヤクルトでプレーした度会博文を父に持つENEOSの度会隆輝も候補に挙がるが、左打ちの両翼タイプは昨年、澤井廉を指名。今季イースタン・リーグで本塁打王になるなど順調な成長ぶりを見せている。戦力を底上げするためには、1、2位は先発投手の指名に使いたいところだが、果たして……。

3.将来の正捕手候補
人数が少ない捕手も補充しておく必要がある。優先順位は低いが、内山のライバル候補を獲得しておきたい。高校生に絞ると、守備に特徴のある報徳学園高・堀柊那、常葉大菊川高・鈴木叶、打撃型では明徳義塾高・寺地隆成が候補となる。

画期的な投手運用と圧倒的な打力でリーグ連覇を成し遂げた高津ヤクルトだが、今季は投手・野手共倒れのシーズンとなってしまった。今季露わになった弱点を補強し、来季再浮上の足固めとなるドラフトを目指したい。

※表の年齢は2023年12月31日時点
※育成選手、引退及び退団が発表された選手は含まず(10月10日時点)

【関連記事】
中日のドラフト補強ポイント 長打力不足解消が最重要課題、投手層の薄さ改善も必須
日本ハムのドラフト補強ポイント 先発3本柱解体危機に新庄剛志監督も即戦力投手を要望?
2023年大学生プロ志望届一覧 日本文理大・東門寿哉が提出 東洋大・細野、青学大・常廣ら計142人に【ドラフト】