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阪神のドラフト補強ポイント 豊作の大学生投手を最優先も……本命は大山2世?

2023 10/19 06:00SPAIA編集部
阪神の岡田彰布監督,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

リーグダントツの防御率をマークした投手陣

岡田彰布監督が15年ぶりに復帰し、独走で18年ぶりのリーグ優勝を成し遂げた阪神。「アレ」を合言葉に、強力な投手力を前面に出した守り勝つ野球で他球団を圧倒し、最後は11連勝で本拠地・甲子園球場の満員のファンの前で優勝を決めた。

現在は日本シリーズ進出をかけて広島とのCSファイナルを戦っているが、10月26日に開催されるドラフト会議は、チームのさらなる戦力強化において最重要の場となる。本稿では、現時点で在籍する選手のポジション・年齢等の分布表から戦力を考察した上で、指名候補も含め阪神のドラフト補強ポイントを考えていく。

【過去のドラフト指名選手一覧はこちら】

先発投手,ⒸSPAIA


優勝の原動力となったのは、セ・リーグダントツのチーム防御率2.66を記録した投手陣。先発ではエースの青柳晃洋が不振の中、大卒3年目の村上頌樹と現役ドラフトで加入した大竹耕太郎が大ブレイク。伊藤将司も加えた3人が2桁勝利を達成した。

さらに、高卒7年目の才木浩人が19試合に登板して防御率1.82、青柳と西勇輝も8勝を挙げるなど、各年代の投手が満遍なく活躍した。20代前半には西純矢、森木大智のドラ1コンビも控えており、数年は安泰といってもいい陣容だ。

リリーフ投手,ⒸSPAIA


リリーフ陣では守護神として期待していた湯浅京己が不調に陥ったが、岩崎優がクローザーとして35セーブをマーク。その他にも、加治屋連、岩貞祐太、石井大智、島本浩也ら活躍したリリーバーは枚挙にいとまがない。

ただ、今季フル回転した投手たちが来季、湯浅のようにコンディション不良に陥る可能性も十分あるだけに、ドラフトでも力のある投手を指名しておきたい。

野手は大山の後釜候補と未来の正捕手獲得か

捕手,ⒸSPAIA


捕手は梅野隆太郎と坂本誠志郎の2人でスタメンを分け合う形となった。長坂拳弥、榮枝裕貴と20代の捕手も控えており、即戦力の捕手は必要ない。将来の正捕手候補として素質の高い高校生がいれば指名を検討したい。

内野手,ⒸSPAIA


続いて内野手。一、三塁には大山悠輔と佐藤輝明の絶対的レギュラーがおり、即戦力となる選手の指名は必要ないだろう。佐藤より年下に長距離砲候補がいないことから、高校生で該当する選手がいれば指名しておきたい。

二遊間も今季からセカンドに転向した中野拓夢、ショートは自身初の規定打席に到達した木浪聖也がレギュラーを獲得。小幡竜平、髙寺望夢ら若手も控えており、補強を急ぐ必要はない。俊足巧打タイプが多いので、強打が持ち味の高校生ショートなどは指名検討の余地ありだろう。

外野手,ⒸSPAIA


外野手はセンターに絶対的レギュラーの近本光司がいる一方、両翼はレギュラー不在の状態だ。ライトはドラ1ルーキーの森下が球団史上6人目の新人2ケタ本塁打を記録する活躍で、シーズン後半はスタメンに定着。残るレフトも助っ人のノイジーに加え、井上広大、前川右京ら若手がひしめいており、今年のドラフトでの優先度は低いだろう。

1位指名は大学生投手が有力

以上のことから、以下の3つを優先補強ポイントとして挙げたい。

1.即戦力投手
若手が中心のチーム構成でレギュラーも20代が多く、今ドラフトは将来性重視の指名も可能だが、球団は大学生投手が豊作な今年の市場に合わせて、1位指名を検討しているようだ。青学大・常廣羽也斗や東洋大・細野晴希ら将来のエース候補があふれる中、競合覚悟で突っ込むのか、それとも1本釣りを狙うのか。

2.大山悠輔2世
即戦力投手を確保した後は、大山の後釜となる大砲候補を優先して確保しておきたい。将来性重視で高校生となると、鹿児島城西高・明瀬諒介が長打力のある右打ち内野手としてぴったりだ。その他では、左打ちだがパワーに魅力ある広陵高・真鍋慧や京都翔英高・小笠原蒼らも候補となるだろう。

3.次世代の正捕手
こちらも素質あふれる高校生捕手を獲得して、将来の正捕手候補として育成していきたい。今年の候補では、小林誠司(巨人)のような鉄砲肩が魅力の報徳学園高・堀柊那、安定した守備に定評がある常葉大菊川高・鈴木叶らがプロからも評価が高い。

投手、野手ともに分厚い選手層を誇り、今季他球団を圧倒して優勝したのも頷けるほど充実した布陣となっている。ドラフトで獲得した選手たちが着実に戦力となっている証しだろう。目立った弱点がない中、今年はどのような選手を指名するのか注目だ。

※表の年齢は2023年12月31日時点
※育成選手、引退及び退団が発表された選手は含まず(10月13日時点)

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