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広島のドラフト補強ポイント 1位指名を最速公表、青学大・常廣羽也斗以外の指名候補は?

2023 10/17 06:00SPAIA編集部
広島の新井貴浩監督,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

4本柱に続く先発が欲しい投手陣

今季、新井貴浩新監督を迎えてシーズンに臨んだ広島は、見事5年ぶりのAクラスとなる2位に入り、昨季5位からの巻き返しに成功。リーグ3連覇を果たした2018年以来のクライマックスシリーズ進出を果たした。

10月26日に開催されるドラフト会議は、チームのさらなる戦力強化において最重要の場となる。本稿では、現時点で在籍する選手のポジション・年齢等の分布表から戦力を考察した上で、指名候補も含め広島のドラフト補強ポイントを考えていく。

【過去のドラフト指名選手一覧はこちら】

先発投手,ⒸSPAIA


投手陣は今季のチーム防御率がリーグ4位の3.20、先発防御率は同5位の3.24だった。九里亜蓮、大瀬良大地、床田寛樹、森下暢仁が20試合以上に登板したが、大瀬良と森下は防御率3点台と、やや安定感を欠いた。その他では、34歳の野村祐輔が6先発で防御率1.16と健闘したが、若手の台頭に乏しかった。

リーグ3連覇時に活躍した岡田明丈、薮田和樹は戦力外となり、大瀬良と九里は来季33歳とここから大きく成績を伸ばすとは考えづらい。先発陣の底上げのためにも、即戦力投手を補強しておきたい状況だ。

リリーフ投手,ⒸSPAIA


リリーフ陣では守護神・栗林良吏がコンディション不良で調子を落とす中、島内颯太郎、大道温貴、2年目助っ人のターリーが躍進。さらに、代役守護神を務めた矢崎拓也が24セーブを挙げるなど、ブルペン全体の底上げに成功した。

人数もそろっており、補強を急ぐ必要はなさそうだが、消耗が激しいポジションだけに、ドラフトでも最低1人は指名しておく必要があるだろう。

野手は菊池の後釜と大砲候補を補強?

捕手,ⒸSPAIA


捕手は今季、ベテランの會澤翼に代わり、坂倉将吾がチーム最多の102試合にスタメン出場。もともと打力に定評のあった坂倉を起用することで、打線の厚みが増した。まだ25歳と若く、このまま正捕手に定着となれば、しばらく扇の要は安泰だろう。二軍で鍛えたい若手もそろっており、今年捕手を指名する必要はなさそうだ。

内野手,ⒸSPAIA


続いて内野手。一、三塁はマクブルームとデビッドソンの両助っ人と、32歳の堂林翔太がメインで起用されていた。ただ、期待されている林晃汰が伸び悩み気味で、その後に続く選手がいない。昨年のドラフトで未来の4番候補として高校生の内田湘大を2位指名したが、今年も大砲候補を指名してさらに層を厚くしておきたいところだ。

セカンドは菊池涼介が109試合でスタメン出場したが、年齢的にもそろそろ後釜候補が欲しい。ショートでは小園海斗がチーム最多の56試合でスタメンを務めたが、まだまだ発展途上。若手の人数も少なく、刺激を入れる意味でも大学生、社会人の二遊間候補から指名を検討したい。

外野手,ⒸSPAIA


最後に、外野手はレフト西川龍馬、センター秋山翔吾、ライト野間峻祥でレギュラーは固まりつつあり、末包昇大も持ち前の打力でアピールしている。ただ西川が国内FA権を取得し、秋山が35歳、野間も30歳と、センターを守れる選手が高齢化しつつあるのが不安要素。めぼしい選手がいれば指名しておきたい。

青学大・常廣羽也斗の1位指名を公表

以上のことから、以下の3つを優先補強ポイントとして挙げたい。

1.青学大・常廣羽也斗
球団は先発投手の補強を最優先と考え、青学大・常廣羽也斗の1位指名をいの一番で公表した。伸びのある直球と切れ味鋭いフォークはすぐにでも一軍で通用するだろう。ただ、常廣は豊作の大学生投手の中でも筆頭候補で、競合する可能性は十分ある。もし抽選に外れてしまった場合は、同じく大学生の専修大・西舘晃汰、桐蔭横浜大・古謝樹らが候補となる。

2.二遊間候補
先発投手を確保した後は、菊池の後釜候補を優先して指名しておきたい。大学生では仙台大・辻本倫太郎が打ってつけ。俊足堅守で二塁、遊撃どちらも守れ、意外に一発長打があるところも菊池に似ている。その他では、ヤマハ・相羽寛太、三菱自動車岡崎・内藤幹太ら社会人内野手の指名もありだろう。

3.大砲候補
人材に乏しい一塁、三塁で、将来30発以上期待できる選手の獲得も狙いたい。中位以降で狙うなら京都翔英高・小笠原蒼が高校生の中ではパンチ力に優れる。大学生では、皇学館大・村田怜音や太成学院大・田中大聖らが長距離砲として評価が高い。

レギュラーが全体的に高齢化しつつある広島。経験豊富なベテラン勢に活きのいい若手をぶつけて、レギュラー争いを活性化させることができれば、将来の見通しも明るくなる。ドラフトで今回挙げた補強ポイントに合致する選手を獲得できるか。10月26日を楽しみに待ちたい。

※表の年齢は2023年12月31日時点
※育成選手、引退及び退団が発表された選手は含まず(10月13日時点)

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