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DeNAのドラフト補強ポイント 今永昇太ら去就不透明で即戦力先発が最優先?

2023 10/15 06:00SPAIA編集部
DeNAの三浦大輔監督,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

充実の先発陣だが……

一時は阪神との首位争いを演じたものの終盤に失速し、最終的には昨年の2位を下回る悔しいシーズンとなったDeNA。ただ、2位の広島にわずか0.5ゲーム差及ばなかったが、2年連続でCSに進出した。

来季こそは1998年以来のリーグ優勝を成し遂げたい三浦大輔監督。10月26日に開催されるドラフト会議は、チームのさらなる戦力強化において最重要の場となる。本稿では、現時点で在籍する選手のポジション・年齢等の分布表から戦力を考察した上で、指名候補も含めDeNAのドラフト補強ポイントを考えていく。

【過去のドラフト指名選手一覧はこちら】

先発投手,ⒸSPAIA


まずは投手陣。今季のチーム防御率はリーグ3位の3.16で、先発防御率も同3位の3.14だった。最多勝、最高勝率の2冠に輝いた東克樹を筆頭に、石田健大、今永昇太が20試合以上に登板。さらに、バウアー、大貫晋一と実績組が続く安定した陣容となっている。

だが、今オフに今永昇太がポスティングでのメジャー挑戦の可能性があり、国内FA権を取得した石田健大、バウアーの去就も不透明な状況。3人が一気に抜けた場合、投手力の大幅な低下は避けられない。即戦力となる先発の補強は必須だろう。

リリーフ投手,ⒸSPAIA


リリーフ陣では守護神・山﨑康晃の不調が誤算だったが、新助っ人のウェンデルケンが61登板で防御率1.66と安定。伊勢大夢も昨季ほどの安定感はなかったが58登板、代役守護神を務めた森原康平と先発から転向した上茶谷大河が46登板と、ブルペン全体で山﨑の穴を埋めた。

また、育成出身の中川虎大、宮城滝太といった成長著しい若手も一軍で経験を積んでおり、補強を急ぐ必要性はそこまで高くない。ただ、消耗が激しいポジションなため、中位以降で指名して頭数は揃えておきたい。

野手は大砲候補と遊撃手が補強ポイント

捕手,ⒸSPAIA


捕手ではベテランの戸柱恭孝と伊藤光に加え、今季6年目の山本祐大が急成長。3人で均等に出場し、投手陣を支えた。二軍では昨年のドラ1・松尾汐恩が1年目から100試合以上に出場と、次世代の正捕手育成も順調に進んでいる。ただ、国内FA権を取得した戸柱の去就次第では指名を検討する必要があるだろう。

内野手,ⒸSPAIA


続いて内野手。一、三塁はソト、宮﨑敏郎とレギュラーはいるが、年齢的にもフル出場が難しくなっている。一塁は外野手の佐野恵太が回ることもあったが、若手に後釜候補が見当たらないことも含めて、そろそろ大砲候補が欲しいところだ。

二遊間では、牧秀悟が絶対的な二塁レギュラーとして君臨。一方の遊撃はトレード加入の京田陽太が攻守に精彩を欠き、若手の森敬斗は攻守ともに一軍レベルに達していない。シーズン終盤は二塁を本職とする新人の林琢真が守っていた。打撃か守備、どちらかに特徴のある選手がいれば、指名しておきたい。

外野手,ⒸSPAIA


外野手では、左翼レギュラーの佐野に加え、10年目の関根大気がブレイクし、両翼を埋めた。センターも桑原将志が100試合以上に出場しており、安泰に見えるが、最年少が育成選手含めても勝又温史の23歳と将来に不安を残す。高校生を中心に指名を検討したい。

1位指名は即戦力の先発投手を優先

以上のことから、以下の3つを優先補強ポイントとして挙げたい。

1.即戦力の先発投手
大砲候補と先発投手を天秤にかけ、より緊急度の高い先発投手を最重要補強ポイントとした。豊作と言われる大学生投手から、最速158キロ左腕の東洋大・細野晴希、今年の大学選手権決勝で完封勝利を飾った青学大・常廣羽也斗らが候補。1本釣りを狙う傾向の強いDeNAの場合、国学院大・武内夏暉、桐蔭横浜大・古謝樹らの指名も考えられそうだ。

2.大砲候補
将来の4番を任せられる大砲候補も上位で指名しておきたい。高校通算62本塁打を誇る広陵高・真鍋慧、パワフルなスイングから本塁打を量産する鹿児島城西高・明瀬諒介、大学通算19本塁打の慶應大・廣瀬隆太らが候補となるだろう。

3.守備からレギュラー狙える遊撃手
セカンドの牧が打撃に特徴があるため、遊撃手は守備力のある選手を求めたい。仙台大・辻本倫太郎が筆頭候補。守備なら即戦力で、167センチと小柄ながらパンチ力もある。ヤマハ・相羽寛太も守備力に優れており、1年目からレギュラーを狙えるだろう。

2年連続Aクラス入りも、今オフはメジャーやFAでの選手流出が危惧され、来季の戦力に不安を残す三浦DeNA。今年は即戦力、特に先発投手を中心に指名し、来季以降の戦力低下を防ぐことに重きをおいたドラフトとなりそうだ。

※表の年齢は2023年12月31日時点
※育成選手、引退及び退団が発表された選手は含まず(10月13日時点)

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