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日本ハムのドラフト補強ポイント 先発3本柱解体危機に新庄剛志監督も即戦力投手を要望?

2023 10/10 06:00SPAIA編集部
日本ハムの新庄剛志監督,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

上沢直之、加藤貴之が流出危機

新球場元年で浮上が期待された日本ハムだったが、2年連続の最下位に沈んだ。2年目の指揮を執った新庄剛志監督は昨オフから積極的にトレードを敢行し、戦力強化を図ったが、成績は60勝82敗1分け。昨年(59勝81敗3分け)と大差ない成績に終わった。来季は結果が求められるシーズンとなる。

10月26日に開催されるドラフト会議では、チーム再建に向けての戦力強化において最重要の場となる。本稿では、現時点で在籍する選手のポジション・年齢等の分布表から戦力を考察した上で、指名候補も含め日本ハムのドラフト補強ポイントを考えていく。

【過去のドラフト指名選手一覧はこちら】

先発投手,ⒸSPAIA


投手陣は今季のチーム防御率がリーグ3位の3.08で、昨季リーグ5位の3.46から大幅に改善した。先発では上沢直之、加藤貴之、伊藤大海の3本柱が24試合に登板。3人とも2桁勝利には届かなかったが、ローテーションを支えた。

その他にも上原健太、鈴木健矢、北山亘基が経験を積み、助っ人のポンセ、新人の金村尚真、高卒3年目の根本悠楓が来季へ期待を持たせる投球を見せるなど、充実の布陣となっている。ただ、上沢がポスティングでメジャー、加藤がFAで他球団へ移籍の可能性があるのが頭の痛いところ。流出への備えとして即戦力の上位指名を検討する必要があるだろう。

リリーフ投手,ⒸSPAIA


リリーフ陣はソフトバンクから近藤健介のFA移籍に伴う人的補償として加入した田中正義が抑えに定着。池田隆英、玉井大翔、河野竜生が50試合以上に登板してブルペンを支えるなど、リリーフ防御率はリーグ4位ながら2.95と健闘した。

さらに、29試合に登板して失点0の福田俊、中日から加入した山本拓実、ベテランの宮西尚生らもおり、緊急での補強は必要なさそう。下位から育成指名で少人数指名する程度で十分だろう。

野手は二遊間候補と将来の正捕手候補か

捕手,ⒸSPAIA


捕手はFAで加入した伏見寅威がチーム最多の74試合にスタメン出場。これに今季加入したマルティネス、清水優心、古川裕大が続き、複数人で回す運用で1年を乗り切った。来季の布陣としても問題ないが、マルティネスと郡司裕也は打力を生かして一塁やDHでの出場が多い。正捕手候補となる逸材がいれば、指名しておきたいところだ。

内野手,ⒸSPAIA


続いて内野手。一、三塁には野村佑希と清宮幸太郎の若手大砲候補、さらには20歳の有薗直輝、阪口樂も控えており、今年は上位指名する可能性は低い。下位から育成指名で素材の良い選手が残っていれば指名する程度で十分だ。

一方、二遊間は昨年のドラフトで加藤豪将、奈良間大己を指名したように、毎年のように選手を補充してはいるが、攻守両面で抜きん出た存在はおらず、決め手に欠ける状況。今年も指名するならば、守備か打撃どちらか一芸のある選手を獲得したいところだ。

外野手,ⒸSPAIA


外野手は万波中正が本塁打王争いをするなど大ブレイク。昨季の首位打者・松本剛とともに両翼を担った。残りのセンターでも2年目の五十幡亮汰が50試合にスタメン出場し、レギュラーをうかがっている。優先度はそこまで高くなさそうだが、支配下登録が7人、育成含めても10人と少ないため、複数人指名することは間違いないだろう。

即戦力先発候補の中から今年のNo.1を選択?

以上のことから、以下の3つを優先補強ポイントとして挙げたい。

1.即戦力の先発候補
例年その年のNo.1選手を指名する方針の日本ハム。今年はチーム状況、候補選手を鑑みて即戦力の先発投手を1位指名する可能性が高い。潜在能力の高さでは東洋大・細野晴希がピカイチ。最速158キロを誇る左腕は魅力満点だが、即戦力としては安定感に不安も。1年目から活躍を見込むなら、青学大・常廣羽也斗、国学院大・武内夏暉の指名もありだろう。

2.一芸ある二遊間候補
野手陣では唯一の穴といって二遊間のポジションを埋めることができれば、大幅な戦力アップが見込める。即戦力なら仙台大・辻本倫太郎、ヤマハ・相羽寛太の2人。どちらも守備からレギュラーを狙えるだろう。高校生なら上田西高・横山聖哉、東海大熊本星翔高・百崎蒼生が打撃に定評があり、将来的には打線の中心を期待できる素材だ。

3.将来の正捕手候補
複数人での運用となっている捕手にも核となる選手を指名しておきたい。筆頭候補は上武大の進藤勇也だが、1位か2位で指名しておかないと日本ハムの3位には残っていないだろう。将来性を見込んで、高校生の堀柊那(報徳学園高)、鈴木叶(常葉大菊川)の指名を検討したい。

日本ハムは2018年に3位になって以降、5年連続でBクラスに低迷。定評のあった育成にも陰りが見える。2年連続最下位となった新庄監督にとって来季は勝負の年。ドラフトで弱点を補強し、Aクラス入りが期待できる戦力を整えることができるか。

※表の年齢は2023年12月31日時点
※育成選手、引退及び退団が発表された選手は含まず(10月9日時点)

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