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オリックス頓宮裕真が疲労骨折…パ・リーグ史上最低打率の首位打者誕生か?

2023 9/24 06:00SPAIA編集部
オリックス頓宮裕真
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ⒸSPAIA

打率.307でリーグトップの頓宮裕真

オリックスから衝撃の発表があったのは22日のお昼前だった。パ・リーグ首位打者を走る頓宮裕真が「左第4中足骨疲労骨折」、9勝を挙げている21歳の剛腕・山下舜平大が「第3腰椎分離症」との診断を受けたという。

両選手とも投打で今季ブレイクし、リーグ優勝に大きく貢献。これからクライマックスシリーズ、日本シリーズと続くだけに、チームにとっても激痛だろう。

岡山県備前市出身の頓宮は山本由伸と実家が隣同士ということで話題に上ることが多かったが、今季はバットで話題をさらった。捕手登録されているものの、森友哉がFA移籍したこともあって捕手としての出場はほとんどなく、ファーストかDH。打順も森の後を打つ5番を任されることが多く、打線の中軸を担った。

6月には打率.372、7本塁打をマークするなどバットで存在感を示し続け、ここまで113試合に出場して打率.307、16本塁打、49打点、出塁率.378、OPS.862と好成績を残している。

すでに規定打席には到達しており、柳田悠岐、近藤健介のソフトバンク勢と首位打者を争っている状況だ。

パ・リーグ首位打者の最低打率は吉岡悟の.309

幼なじみの山本由伸が前人未踏の3年連続投手4冠を視界に捉えていることに代表されるように、近年は投手のレベルアップが著しい。150キロは当たり前、変化球の種類も増え、打者の対応は容易ではない。

その裏返しなのか、今季のパ・リーグ打者陣の成績は数字だけを見るといつにない低レベル。本塁打はグレゴリー・ポランコ(ロッテ)と浅村栄斗(楽天)が25本でトップに並んでおり、30本未満でのタイトル獲得となる可能性も十分にある。

さらに打率は、このまま頓宮が首位打者に輝いた場合、1976年・吉岡悟(太平洋)の.309を下回るパ・リーグ最低打率でのタイトルとなるのだ。

もちろん、打率が低くてもタイトルの価値は変わらないが、何かと一緒に話題にされてきた山本がずば抜けた成績でタイトルを獲得しそうなこともあり、記憶に残る珍記録となるかも知れない。

ちなみにセ・リーグ首位打者の最低打率は1962年・森永勝也(広島)の.306723(476打数146安打)。頓宮は.306733(401打数123安打)だから、わずか1糸(し)だけ上回っている。1リーグ時代では1942年・呉昌征(巨人)が.286で首位打者に輝いた例もある。

いずれにせよ、まずはケガの完治を願うしかない。主役のいないパ・リーグ首位打者争いの行方が注目される。

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