3年連続4冠も視界に捉える山本由伸
パ・リーグ3連覇へひた走るオリックスの投手陣を引っ張るのが山本由伸だ。ここまで19試合に登板して13勝5敗、防御率1.34。奪三振のみロッテ種市篤暉(143三振)に次ぐ2位の137三振だが、勝利数、防御率、勝率の3部門はトップで、前人未踏の3年連続4冠も視界に捉えている。
特に防御率は秀逸だ。8月1日の楽天戦に7回無失点で勝ち投手となって以降、5試合中4試合はいずれも7回無失点で4勝1敗。5月13日のソフトバンク戦を投げ終えた時点で2.35だったが、好投を続けてついに1点以上良化させた。
1950年の2リーグ分立以降、シーズン防御率1.35以下の投手はのべ9人しかいない。ランキングは下の通りとなっている。
2リーグ分立後は村山実が唯一の0点台
プロ野球草創期の1リーグ時代は何度も記録された防御率0点台だが、2リーグ分立後は一度きり。「ザトペック投法」の阪神・村山実が1970年、今も燦然と輝く0.98をマークしてタイトルを獲得した。
1956年に西鉄・稲尾和久が記録した2位の1.06を挟んで、3位と4位はいずれも村山。1959年が1.19、1962年が1.20で最優秀防御率に輝いた。村山は生涯通算防御率2.09だった。
21世紀で唯一記録したのが楽天・田中将大。2011年は1.272、無傷の24連勝で優勝に貢献した2013年は1.273だった。
さらに1958年の国鉄・金田正一が1.30、1955年の巨人・別所毅彦が1.33。1956年に1.35で9位の西鉄・島原幸雄はランキングの中で唯一タイトルを獲得していない。同年はチームメイトの稲尾和久がルーキーながら1.06の驚異的な成績でタイトルを奪った。
山本は歴代のレジェンドに肩を並べる域に達している。今季の登板は多くても残り5試合程度だろう。どこまで数字を伸ばすのか楽しみだ。
※成績は9月7日現在
【関連記事】
・オリックス頓宮裕真「山本由伸の幼なじみ」から一躍スターダムへ、打撃好調の秘密
・ロッテ佐々木朗希とオリックス宮城大弥が紡ぐ「令和のライバルストーリー」
・日米通算セーブ数ランキング、オリックス平野佳寿が名球会入り目前