オリックスは「黄金期に突入」
オリックス・バファローズがパ・リーグ3連覇を達成。球団OBの糸井嘉男氏が喜びのコメントを寄せた。
「いよいよ黄金期に突入ですね。圧倒的な投手力は12球団ナンバーワンでしょう。本当に見たくなる投手陣です」
絶対エースの山本由伸が14勝をマーク。防御率1.32、148奪三振はいずれもリーグトップで、勝率.700はチームメイトの宮城大弥の.714に次いで2位と、前人未踏の3年連続投手4冠を視界に捉えている。
9月9日のロッテ戦(ZOZOマリン)では、昨年6月18日の西武戦に続いて自身2度目のノーヒットノーランを達成。2年連続の達成は1936・37年の沢村栄治(巨人)、1940・41年の巨人・亀田忠以来82年ぶり3人目の快挙だった。
「ノーヒットノーランした時に、おめでとうとLINEを送ったら“お祝いお願いします”と返ってきたんで、お祝いせなあかん」と糸井氏は苦笑いする。
山本に加えて、宮城大弥も10勝、山﨑福也は9勝、今季ブレイクした21歳の山下舜平大も9勝をマーク。リリーフ陣もWBCにも出場した宇田川優希や山﨑颯一郎に、名球会入り目前のベテラン平野佳寿とコマが揃っており、チーム防御率2.64はもちろんリーグ1位だ。
「ホンマに悔しかった」2014年
吉田正尚がメジャー移籍したため得点力の低下が懸念されたが、FAで西武から移籍した森友哉が打率.291、16本塁打。さらに山本由伸と幼なじみの頓宮裕真がリーグトップの打率.307をマークするなど、吉田の穴を全員でカバーしてきた。
チーム打率はリーグトップの.249、総得点もリーグ2位の460と開幕前の不安を払拭。「吉田正尚選手が抜けた中で森選手の加入は大きかったですね。ホンマに横綱の試合をしてました」と絶賛した。
糸井氏がオリックスに在籍したのは2013年からの4シーズン。思い出深いのは最後まで優勝を争いながら敗れた2014年だ。打率.331で首位打者のタイトルを獲得したシーズンでもある。
「あの年は18年ぶり優勝かと言われてましたが、最後の最後でソフトバンクに負けてホンマに悔しかったです。何人かの選手は崩れ落ちて泣いてたし、僕も唖然、茫然みたいな感じでしたね」
10月2日、優勝を争っていたソフトバンクとの大一番(ヤフオクドーム)。延長10回裏に松田宣浩がサヨナラ打を放ち、オリックスは142試合目で力尽きた。
オリックスファンや関係者にとっても忘れられないシーズンだろう。あの悔しさを知るからこそ、感慨もひとしおだ。
阪神と古巣同士の日本シリーズなら「本当に楽しみ」
オリックス時代にともにプレーしていた選手は減ったとはいえ、親交のある選手も少なくない。「正尚選手と仲が良かったので、(山本)由伸とか、ラオウ(杉本裕太郎)とか、宗(佑磨)とかも一緒に何度か食事に行きました。よく知る選手の活躍は特に嬉しいですね」と我が事のように喜ぶ。
次はクライマックスシリーズを突破して、日本シリーズ連覇を目指すことになる。セ・リーグでも古巣・阪神が優勝したため、糸井氏にとっては思い入れの強い両チームが雌雄を決するシリーズとなるかも知れない。
「2チームが激突するだけで見応えありますよ。本当に楽しみです」。2023年、熱い熱いプロ野球はまだ終わらない。
※成績は9月19日終了時点
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