首位打者へばく進!3部門ともキャリアハイ確実
オリックスの頓宮裕真がパ・リーグ首位打者を快走している。7月8日現在で.328と高打率をキープ。7月に入ってやや調子を落としているが、それでも打率2位のソフトバンク柳田悠岐に1分以上の差をつけており、初タイトルも決して夢ではない。
そもそも過去4年のプロ生活で打率3割はおろか、規定打席に到達したこともない。打率.313をマークした2020年はわずか12試合の出場だった。キャリアハイだった昨季も81試合出場で11本塁打とパンチ力は証明したものの打率は.226だった。
それがどうだ。今季はすでに67試合に出場し、10本塁打、32打点。主要3部門全てでキャリアハイ更新は確実だろう。
初球からいく積極性と甘い球を確実に捉える打撃技術
捕手登録だが捕手としての出場はなく、ほとんどがファースト、時折DHで起用されている。昨季までは伏見寅威、若月健矢とともに捕手3人が併用されていたが、FAで森友哉が加入したことで頓宮の打力をより活かすための方策が取られた。
ストライクゾーンを9分割したコース別打率は下のようになっている
ベルトラインは内外角を問わず、きれいに打率3割以上を示す赤色に染まっている。特にど真ん中は.467の高打率。真ん中高めも.435、内角低めは打数こそ少ないものの打率5割をマークしている。
その他のコースが打率2割台と低いことから考えると、難しい球を打っているわけではなく、甘いコースを確実に捉えているのだろう。
初球打ちなら20打数12安打の打率6割。積極性も好調の一因だ。ガッチリした安定感のある下半身から生み出される力強いスイングで、特に左投手に対して打率.439(右投手は.292)と滅法強いことも数字につながっている。
ファン投票1位でオールスター選出
岡山県備前市出身で、チームメイトの山本由伸と実家が隣同士であることは有名だ。今や球界を代表する右腕の幼なじみとしてクローズアップされることは何度もあった。
しかし、今年は初めてファン投票1位でオールスターにも選出。「山本由伸の幼なじみ」ではなく、パ・リーグ打率トップの強打者としてスポットライトを浴びる。
森友哉が離脱し、頓宮への期待は高まるばかり。リーグ3連覇に向け、暑い夏場を乗り切るためのキーマンだ。
※成績は7月8日終了時点
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