佐々木朗希の離脱でタイトル独占の期待膨らむ
パ・リーグ首位を走るオリックスの大黒柱が山本由伸だ。ここまで14試合登板で9勝4敗、防御率1.78と堂々の成績を残している。
現在、勝利数はトップで、防御率はロッテ佐々木朗希に次いで2位だが、佐々木は左脇腹肉離れで25日に登録抹消され、2カ月程度離脱すると見られているため、規定投球回割れすることが濃厚。山本が今の数字をキープすれば、いずれ1位に浮上するだろう。
奪三振も1位が130個の佐々木だが、離脱期間中は増えない。2位のロッテ種市篤暉が112奪三振、3位の山本が107奪三振と差は小さいため、十分に逆転圏内だ。
勝率も佐々木が.778でリーグトップだが、13勝以上が対象という規定に現在7勝の佐々木は届かない可能性が高い。.692で現在2位の山本が順調に勝ち星を増やせば見えてくるタイトルだ。
つまり昨季、史上初の2年連続投手4冠を達成した山本が、前人未踏の3年連続4冠に輝く可能性が出てきたわけだ。佐々木の故障による“棚ぼた”とも言えるが、3年も続けてリーグトップクラスの高いパフォーマンスを発揮していることは驚嘆に値する。3年連続4冠を達成すれば今後破られることはないのではないか。
3年連続沢村賞なら金田正一以来
山本の凄さは全てにおいてハイレベルな点だ。奪三振率は13.76でトップの佐々木のように飛び抜けているわけではないが、それでもリーグ4位の9.53。与四球率も0.90でリーグトップの日本ハム加藤貴之に次ぐ1.25でリーグ2位とコントロールも良い。
被打率も.153の佐々木に次いでリーグ2位の.205。投球回数もリーグ4位の101イニングを投げており、スタミナもある。ストレートは平均150キロを超え、フォーク、カーブ、カットボール、シュート、スライダーの変化球も切れ味抜群で低めにコントロールされると、相手打者が打ち崩すのが難しいのも当然だ。
佐々木朗希が離脱した以上、タイトル争いは山本の“独り旅”となっても不思議ではない。1956年~58年の金田正一以来となる3年連続沢村賞や、優勝すれば1976年~78年の山田久志、1994年~96年のイチロー以来3人目となる3年連続MVPの可能性も十分にあるだろう。
当然ながらメジャーのスカウト陣も山本には熱視線を送っている。日本球界最高の投手が日本で活躍する姿をしっかりと目に焼き付けておきたい。
※成績は7月28日終了時点
【関連記事】
・オリックス頓宮裕真「山本由伸の幼なじみ」から一躍スターダムへ、打撃好調の秘密
・ロッテ佐々木朗希とオリックス宮城大弥が紡ぐ「令和のライバルストーリー」
・パ・リーグ前半戦をチーム成績で総括、投打ともにオリックス優位