阪神はルーキー森下翔太が近本光司の穴をカバー
先週のセ・リーグは広島が5連勝で2位に浮上。逆にDeNAは1勝5敗と大きく負け越して3位に転落した。阪神は3勝3敗で首位ターン。巨人が1勝5敗と苦しんだ一方、5位ヤクルトと6位・中日は4勝2敗と勝ち越した。
SPAIAでは7月11日から17日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
阪神はルーキー森下翔太がwRAA2.2でチームトップだった。12日のDeNA戦では8回にバウアーから同点2号2ラン、9回にサヨナラ中犠飛の大活躍。離脱した近本光司の穴をカバーするべく、1番として24打数6安打、1本塁打、4打点と奮闘している。
今季打率は.183と確実性は物足りないが、首位を走るチームで試合に出続けることは最高の経験になるだろう。未来の中軸候補としてさらなる成長が期待される。
広島・上本崇司、DeNA牧秀悟も好調、巨人・秋広優人は覚醒?
2位に浮上した広島は上本崇司が好調だ。先週は全6試合で安打を放ち、24打数8安打の打率.333、チームトップのwRAA2.4をマークした。内外野をこなすユーティリティープレーヤーで、最近は1番として起用されており、チームにとっては貴重な存在だ。
元気のないDeNAだが、牧秀悟は存在感を放っている。11日の阪神戦で猛打賞を記録するなど23打数7安打の打率.304、2本塁打でwRAA1.7だった。チームが下降線を辿るタイミングでオールスターを挟むのは心機一転を図るには好都合かも知れない。その中でも牧のバットにかかる期待は大きい。
巨人は松井秀喜の背番号55を受け継いだ秋広優人に覚醒の気配が漂っている。先週は25打数7安打の打率.280で、3本塁打を放った。wRAA3.1はチームトップ。最近は3番で固定されており、ポイントゲッターの役割を果たしている。
村上宗隆の復調は明るい材料、石川昂弥も成長
ヤクルト村上宗隆がようやく調子を上げてきたのはチームにとっても明るい材料だ。12日の中日戦では13号3ラン、14号ソロを連発するなど27打数9安打の打率.333、4本塁打、10打点をマーク。wRAAもチームトップの3.8を記録し、後半戦の巻き返しが楽しみになってきた。
リーグトップのwRAA4.6をマークしたのが中日・石川昂弥。11日のヤクルト戦で2本塁打を含む3安打を放つなど、24打数9安打の打率.375、3本塁打と好調だ。岡林勇希や細川成也とともに次代を担う若竜の成長は頼もしい。
オールスターゲームを挟んで22日から後半戦がスタートする。週間MVPのプレーヤーが引き続き打線を引っ張れるかどうかは、暑い夏場のポイントのひとつと言えそうだ。
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