7月打率.393、7本塁打の浅村栄斗
前半戦を終了したプロ野球。パ・リーグでここに来て急浮上してきたのが楽天だ。7月1日時点では最下位だったが、7月は8連勝を含む11勝3敗。現在は借金を4まで減らして4位に浮上し、9連敗中の3位ソフトバンクまで5ゲーム差に接近している。
その中で特に目立つのが浅村栄斗だ。大阪桐蔭高から西武に入団し、FAで楽天に移籍したのが2018年オフ。プロ15年目の32歳は、7月の月間打率.393、7本塁打、20打点と絶好調。現在、9試合連続安打をマークしており、16日のロッテ戦では2ラン2発を含む5打数5安打と大噴火した。
現在18本塁打、50打点でパ・リーグ二冠王。2度目の本塁打王、3度目の打点王へ快走中で、2019年にマークした自身最多の33本塁打を超える可能性も十分にある。
右中間が25%を占める広角打法
その打棒を支えるのが広角打法だ。今季の打球方向を5つに分けたデータは下の通りとなっている。
最も多い左中間の26%に次ぐのが、右中間の25%。次いでセンターの21%となっている。レフト方向は本塁打こそ8本と最多だが、打球全体では18%に過ぎない。ライト方向も11%ある。
本塁打を打つまでにかかる打数を表す指標「AB/HR」は17でリーグトップ。フライに占める本塁打の割合を示す「HR/FB」も13.5%で規定打席到達者でリーグトップだ。
「長打率-打率」で算出され、純粋な長打力を示す「IsoP」も.219で、オリックス森友哉、日本ハム万波中正に次いでリーグ3位。リーグ屈指のスラッガーとして恥じない数字を残している。
大阪桐蔭出身選手で最多安打
そんな浅村は節目の数字に近付いている。通算300本塁打と2000安打だ。
現在、275本塁打を放っており、今季中の達成は難しいかも知れないが、来季中には300発の大台に到達するだろう。
さらに安打数は1785を数えており、こちらは早ければ来年、順調なら再来年の到達が濃厚だ。
2000安打達成なら大阪桐蔭出身として初の栄誉となる可能性が高い。同校OBとして浅村に次ぐ1743安打をマークしているのが西武・中村剛也だが、出場機会が減りつつあり、39歳という年齢を考えてもハードルが高い。
浅村の1学年上の先輩にあたる巨人・中田翔は現在、1512安打と先は長い。ちなみに本塁打は299本と節目の300号にリーチをかけている。
首位打者を獲得したこともあるオリックス森友哉は現在、974安打だ。となると、浅村の大阪桐蔭出身選手で史上初の2000安打という勲章は濃厚なのだ。
その前にまずは今季、残り試合でチームをAクラスに押し上げ、クライマックスシリーズに導けるか。偉大な記録はその延長線上にある。
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