首位攻防第2戦で森下がサヨナラ犠飛
12日に甲子園で行われたセ・リーグ首位攻防第2戦、阪神がDeNAに5-4でサヨナラ勝ちした。9回裏一死満塁から中犠飛で試合を決めたのは、8回にバウアーから同点2ランを放っていた森下翔太だった。
試合後のインタビューで岡田彰布監督はいい場面で森下に打順が回ってくることに「そら、中央デーやからでしょ」と目尻を下げた。
中央デー―。インタビュアーとの会話の中で自然に流れていったため、知らないファンは何のことか分からなかっただろう。話は9日にさかのぼる。
甲子園のナイターでヤクルトと戦っていた阪神は0-0のまま後半戦に突入。8回に決勝のプロ初アーチを放ったのが森下翔太だった。
同じ日のデーゲームで巨人と戦っていたDeNAは0-0で迎えた延長12回、牧秀悟が決勝の14号ソロを放って熱戦にケリをつけた。
同じ日に同じような試合展開で中央大学出身の牧と森下が決勝アーチを放ったため、岡田監督は試合後に「中央デー」と表現していた。
12日の甲子園でも5回に牧が15号2ランを放ってDeNAが勝ち越したが、8回に森下が2号2ランで同点。さらに9回に森下がサヨナラ犠飛を放ち、岡田監督がインタビューで「中央デー」とコメントしたわけだ。
桑田武、末次利光、高木豊、阿部慎之助ら強打者輩出してきた中央大
中央大学と言えば、東都リーグ1部で25回の優勝を誇る名門。清原和博と並んで31本塁打の新人最多記録を持つ桑田武、ヤクルトで監督を務めた武上四郎、巨人のV9戦士・末次利光、中日で活躍した藤波行雄、1985年の阪神優勝に貢献した佐野仙好、前ヤクルト監督の小川淳司、通算321盗塁の高木豊、俊足巧打の笘篠賢治、通算406本塁打の阿部慎之助(現巨人ヘッド兼バッテリーコーチ)、通算101本塁打の亀井善行(現巨人打撃コーチ)ら強打者を多数輩出している。
現役でもロッテの大砲・井上晴哉、三拍子揃ったDeNA神里和毅、「サニブラウンに勝った男」日本ハム五十幡亮汰、森友哉の後継捕手として活躍する西武・古賀悠斗、森下と同級生で類まれなパンチ力を誇るヤクルト北村恵吾と活躍する野手は多い。
その中でもDeNAの4番として活躍する25歳の牧と、近本光司が離脱したセンターを任される22歳の森下は、同じ右のスラッガーとして、優勝を争うライバル球団として今後も火花を散らす場面は訪れるだろう。現時点では2学年上の牧が実績で勝っているが、今季の直接対決は11試合残っている。「中央デー」はあと何回あるだろうか。2人の活躍が楽しみだ。
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