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敵は佐々木朗希のみ?オリックス山本由伸が3年連続投手4冠へペースアップ

2023 6/15 06:00SPAIA編集部
オリックス山本由伸,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

阪神戦8回無失点でハーラートップタイ6勝目

オリックスの山本由伸が6月13日の阪神戦(甲子園)で8回2安打11奪三振無失点と完璧な投球で6勝目を挙げた。これで日本ハム鈴木健矢、ロッテ西野勇士とともにハーラートップに並び、防御率1.59もリーグトップ。昨季まで2年連続投手4冠に輝いた右腕が調子を上げてきた。

今年は3月のワールドベースボールクラシック(WBC)に出場したため初登板は4月6日のソフトバンク戦(京セラドーム大阪)だった。その試合は6回無失点で勝利投手になったものの、2戦目以降に2連敗。

その後も先発としての仕事は果たしていたが、5月6日の西武戦(京セラドーム大阪)では7回2失点、同13日のソフトバンク戦(京セラドーム大阪)では6回3失点と5試合連続で失点を許すなど、一時期のような相手打線が手も足も出ないほどの無双ぶりとは違った。

しかし、5月20日に発熱のため登録抹消され、復帰登板となった同30日の広島戦(京セラドーム大阪)から輝きを増す。

8回2安打8奪三振無失点で大瀬良大地との投げ合いを制して4勝目を挙げると、6月6日の巨人戦(京セラドーム大阪)でも8回4安打6奪三振1失点で5勝目。13日の阪神戦と合わせて、ここ3試合で計24回を投げ、8安打25奪三振1失点で防御率0.375と驚異的な数字を残している。

外角低めは被打率1割以下

半分近くを占めるストレートは平均152.7キロで被打率.170と投球の柱。さらに平均144.1キロのフォークも全体の27.8%を占めており、被打率.169と大きな武器だ。

さらにカーブ、カットボール、スライダー、シュートがいずれも切れ味抜群となると、相手打者が芯で捉えるのは簡単ではない。

さらにコントロールも冴えている。ストライクゾーンを9分割したコース別の被打率は下の通り。

山本由伸のコース別被打率


打者の左右を問わず、真ん中高めとど真ん中は投球割合7%未満の青色に染まっている。右打者に対しては、外角低めが24.2%と最も多く、真ん中低めが17.8%で2番目に多い。左打者に対しても外角低めが18.6%と最多で、次いで外角高めの17.1%となっている。

しかも外角低めは右打者が被打率.071、左打者が.087とほとんど打たれていない。速くて切れのあるボールが低めにコントロールされているのだから今の成績も納得だ。

現時点で投手3冠

山本由伸が初めて獲得したタイトルは2019年の最優秀防御率。翌2020年には千賀滉大(当時ソフトバンク)とともに最多奪三振に輝いた。

そして2021年からは最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最多奪三振の投手4冠を史上初の2年連続で獲得。MVPと沢村賞も2年連続だ。

さらに今季も6月13日終了時点で勝利数と防御率、勝率はリーグトップ。奪三振数だけは79個をマークしている佐々木朗希(ロッテ)に次ぐ68個となっている。前人未踏の3年連続投手4冠に向け、敵は佐々木朗希だけかも知れない。

球団史上最高年俸の推定6億5000万円を稼ぐ大エース。1994年の西武以来となるリーグ3連覇へ欠かせない存在だ。

※成績は6月13日現在

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