日本ハムがメジャー希望の大谷翔平を強行指名
今や日本にとどまらずアメリカでもスーパースターとなったエンゼルス大谷翔平が日本ハムに入団したのは2012年ドラフトだった。
甲子園春夏連覇した大阪桐蔭のエース藤浪晋太郎に4球団競合。花巻東・大谷翔平はメジャー希望を表明していたため各球団が回避する中、日本ハムが強行指名した。
結果論で言えば、この時に日本ハムが指名し、大谷も入団を決意したからこそ今がある。日本ハムでなければ「二刀流」は誕生してなかった公算が大きいからだ。
そういう意味では、やはりドラフトは選手の人生を左右する分岐点と言える。では、日本ハムが大谷以外に指名した選手は誰がいたのだろうか。
現役でプレーするのは鍵谷陽平のみ
2012年の日本ハムは大谷を含めて7人を指名した。2位は高岡第一高の森本龍弥だった。高校通算33本塁打の強打の内野手として期待されたが、一軍出場は2017年の5試合のみ。2019年に現役を引退した。
大谷以外で唯一現役を続けているのが、現在は巨人でプレーする鍵谷陽平だ。地元・北海高のエースとして夏の甲子園に出場し、中央大からドラフト3位で入団。1年目から開幕一軍入りし、38試合登板で2勝3敗1ホールド5セーブをマークした。
2017年には60試合に登板して17ホールドを挙げるなど中継ぎとして活躍。2019年6月に宇佐見真吾、吉川光夫との2対2の交換トレードで藤岡貴裕とともに巨人に移籍し、2022年までプロ10年間通算で23勝15敗6セーブ82ホールドの成績を残している。
4位は広島工業高の宇佐美塁大。高校通算45本塁打のスラッガーとして期待されたが、一軍出場のないまま2017年限りでユニフォームを脱いだ。
下位で社会人投手3人指名
5位は27歳でプロ入りした新垣勇人。国士舘高時代にセンバツ出場し、横浜商科大では神奈川大学野球リーグで通算18勝、東芝では都市対抗に出場と経験豊富な右腕だった。
1年目にプロ初登板初先発となったマウンドで敗戦投手となり、3年目にようやくつかんだプロ初勝利が最初で最後の白星だった。2018年に引退し、プロ通算登板は12試合だった。
6位は沖縄・中部商業高から国士舘大、JX-ENEOSを経てプロ入りした屋宜照悟。1年目は3試合登板ながらプロ初勝利をマークし、3年目の2015年には18試合に登板して2勝を挙げた。2017年7月に杉浦稔大との交換トレードでヤクルトに移籍。ヤクルトでは計3試合に登板しただけで2019年に引退した。
7位は新日鉄住金広畑から入団した河野秀数。京都・山城高から進んだ佛教大では現中日・大野雄大の1学年先輩にあたる右腕は、1年目から33試合に登板して11ホールドをマークした。2年目の2014年もプロ初勝利を挙げたが、3年目の2015年に戦力外となった。
上位では将来性の高い高校生を指名し、下位では経験豊富な社会人を獲得した同年の日本ハム。大谷を獲得しただけで大成功と言えるだろうが、大谷以外で現役は鍵谷のみとなっており、改めてプロの厳しさを感じさせる。
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