岡本和真がwRAAでも12球団トップ
2023年のプロ野球セ・パ交流戦はDeNA、ソフトバンク、巨人、オリックスの4球団が11勝7敗の勝率.611で首位に並ぶ大混戦となったが、得失点率差によりDeNAが初優勝を飾った。
最優秀選手(MVP)には、巨人・岡本和真が初選出された。優勝チーム以外から選ばれるのは、ヤクルトが最高勝率だった2018年のオリックス・吉田正尚(現レッドソックス)以来2人目。優秀選手には、セ・リーグは優勝したDeNAから牧秀悟、パ・リーグは打率トップの.413を記録したソフトバンク・近藤健介が選ばれた。
SPAIAでは交流戦期間中の5月30日から6月21日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「交流戦MVP」としてランキング形式で紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。

12球団トップのwRAA16.8をマークしたのは、本家MVPにも選ばれた巨人の岡本和真だった。全18試合に4番として出場し、いずれも全体トップとなる8本塁打、19打点を記録。また打率.383も2位と、打撃3冠に迫る成績を残した。
OPS1.373ももちろん12球団トップ。史上2人目の優勝チーム以外から選出されたのもうなずける、他を圧倒する成績でMVPに輝いた。23日から再開するリーグ戦でも4番・主将として打線を牽引する活躍が期待される。
近藤健介が首位打者、牧秀悟はトップの27安打
2位は優秀選手にも選ばれたソフトバンクの近藤健介で、wRAAは14.6を記録した。全18試合中17試合でヒットを放ち、打率.413で首位打者を獲得。また、持ち味の巧打だけでなく、6月8日のDeNA戦から3試合連続本塁打を放つなど計5本塁打と長打力も見せ、チームの4年ぶりの勝ち越しに大きく貢献した。
3位にはwRAA12.4でオリックスの頓宮裕真。リーグ唯一の3割打者は、交流戦でも全体5位の打率.359と好調をキープ。さらに、チームトップの6本塁打と持ち前のパワフルな打撃も披露し、チームの勝利に貢献していた。今後も打棒爆発なるか注目だ。
4位には優勝したDeNAから牧秀悟がwRAA8.3でランクイン。全体トップとなる27安打をマークし、3位の打率.380、2本塁打、13打点でチームの交流戦初優勝に貢献した。リーグ戦再開直後の阪神との首位攻防戦でも勝利に貢献する打撃を見せたい。
古巣相手に活躍したマルティネス
5位にはwRAA7.5で日本ハムのアリエル・マルティネスが入った。今季中日から加入した強打の捕手は、交流戦最終カードとなった17日の古巣・中日戦で六回に逆転9号3ランを放ち、カード3連勝に貢献。チームトップの14打点と勝負強さが光った。今後も攻守にわたる活躍が期待される。
交流戦で貯金を作った上位5チームの選手がトップ5を独占した。リーグ戦再開後も彼ら活躍した選手が打線の中心としてチームを引っ張っていくのか注目だ。
【関連記事】
・プロ野球セ・パ交流戦の歴代本塁打王 二冠当確の巨人・岡本和真はシーズンでどこまで伸ばすか
・プロ野球セ・パ交流戦の歴代首位打者 近藤健介がソフトバンク5人目
・DeNA交流戦初優勝は吉兆?過去17年間で9チームがシーズンも制覇