首位打者・頓宮裕真が本塁打量産
先週のパ・リーグはオリックスとソフトバンクがヤクルトに3連勝するなど5勝1敗の好成績で、それぞれ1位、2位に浮上。ロッテは2勝3敗1分けで一気に3位へ転落した。また、西武は前週から7連敗を喫するなど1勝5敗と大きく負け越し、球団初の交流戦最下位に。リーグ内でも楽天に抜かれ、最下位に沈んでいる。
SPAIAでは6月13日から6月18日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。

交流戦を11勝7敗で終え首位に浮上したオリックスは、頓宮裕真がチームトップのwRAA4.0をマークした。リーグ唯一の3割打者は15日の阪神戦で1点ビハインドの九回に同点の5号ソロを放つと、続くヤクルトとの3連戦でも17、18日に2戦連発とパンチ力を発揮し、4連勝に貢献。
週間で23打数7安打の打率.304、3本塁打、5打点と打棒が爆発した。これで6月は6本塁打と量産体制に。吉田正尚がMLBへ移籍し、今季は得点力低下が懸念されたが、森友哉、杉本裕太郎とともに形成するクリーンアップは、リーグ随一の破壊力を見せている。
近藤健介が交流戦首位打者に
オリックスと同じく貯金4で交流戦を終えたソフトバンクでは、近藤健介が好調だ。先週は全6試合で安打を放つなど、19打数8安打の打率.421、2本塁打、6打点。wRAAは5.6をマークし、2週連続で12球団トップだった。交流戦での打率は.413で、18日時点で首位打者に立つなど、球界屈指の巧打者のバットが止まらない。
3位に転落したロッテは、先週6試合で10得点と打線が不発。チームトップのwRAAをきろくしたのは中村奨吾で0.8だった。18日のDeNA戦で9試合ぶりの一発を放つなど5試合連続で安打を記録。6月は打率.190 と不調に苦しんだが、これをきっかけに上昇気流に乗ることができるか。
4位の日本ハムでは、松本剛がwRAA1.1でチームトップだった。13日のDeNA戦で今季5度目の猛打賞を記録するなど、先週は20打数6安打の打率.300、1本塁打、2打点。昨季自身初の首位打者に輝き今季はマークが厳しくなる中、随所で光るプレーを見せている。
浅村栄斗が打率.450、渡部健人は連敗止める一発
楽天は浅村栄斗がチームトップのwRAA4.8をマークした。先週は6試合中4試合でマルチ安打を記録するなど、20打数9安打の打率.450、1本塁打。現在リーグ5位の192得点と得点力不足に悩む中、6月は打率.353と好調な主砲が打線を牽引している。
最下位に沈む西武では、渡部健人がwRAA3.0でチームトップだった。18日の広島戦ではチームの連敗を7で止める決勝の2号2ランを放つなど、週間で16打数6安打の打率.375、1本塁打、4打点。中村剛也、山川穂高を欠く打線は迫力不足に陥る中、新たな主砲候補が存在感を高めている。
楽天と日本ハム以外の4チームが交流戦の全日程を終えた。過去2年間はセ・リーグが勝ち越していた交流戦だが、今季はあと3試合を残してパ・リーグの53勝50敗2分けで、負け越しの可能性はなくなった。リーグ戦再開に向け上位との差を少しでも縮めておきたい楽天と日本ハム。パ・リーグに4年ぶりの勝ち越しをもたらすか注目だ。
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