阪神は佐藤輝明がチームトップ
先週のプロ野球セ・リーグは阪神が5勝1敗で貯金を11に増やした。最近10試合で9勝1敗と好調で首位を快走している。また巨人が5連勝で3位に浮上。2位・DeNAも6連敗でストップし、3勝1敗1分けと持ち直した。逆にヤクルトは4連敗、中日は7連敗とトンネルから抜け出せない。中日の借金は14まで増えている。
SPAIAでは5月16日から21日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
首位・阪神は佐藤輝明がチームトップだったものの、wRAA1.6とそれほど高いわけではない。近本光司、中野拓夢の1、2番コンビや4番・大山悠輔も含め全員でチャンスをものにしている。
先週の佐藤は22打数7安打の打率.318、1本塁打。5月19日の広島戦で8号ソロを放ち、宮﨑敏郎に次いでリーグ2位タイにつけている。24打点もリーグ5位タイだ。チームにとって佐藤のバットが頼りになるのはもちろん、今季は初タイトルも期待される。
DeNA関根大気、広島・西川龍馬も好調
DeNAは関根大気がwRAA3.4でチームトップだった。東邦高から入団して10年目の27歳。18日の広島戦で6打数5安打を記録するなど先週は22打数11安打、4打点をマークした。DeNAの強力打線の一翼を担っており、シーズンを通しての打率も.364で、チームメイトの宮﨑敏郎に次いで2位につけている。
12球団トップはwRAA4.1の吉川尚輝だった。17打数9安打の打率.529、3打点をマーク。16日のヤクルト戦では5打数3安打2打点の活躍で9-8の乱打戦勝利に貢献するなど、5月の月間打率.364と調子を上げている。
先週2勝4敗で4位に転落した広島は、西川龍馬がwRAA2.4でチームトップ。16日のDeNA戦から4試合連続マルチ安打を放つなど、25打数10安打の打率4割をマークした。5番で起用されることが多いが、時には2番でつなぐ役割も果たすなど広島打線に欠かせない存在だ。
現役ドラフトで移籍の中日・細川成也は潜在能力発揮
ヤクルトは山田哲人が上昇気配だ。21日のDeNA戦で5号ソロを含む3安打を放つなど19打数8安打の打率.421、wRAA3.9。村上宗隆が本調子でない中、プロ13年目の30歳が存在感を放っている。
最下位の中日で明るい話題のひとつが細川成也だろう。現役ドラフトでDeNAから移籍した今季、打率.316、3本塁打、19打点と潜在能力を発揮。先週は20打数8安打の打率4割、2本塁打でwRAA3.7を記録した。貧打に泣くことの多いチームで重要な役割を果たしている。
今週は、30日から始まる交流戦前の最後の1週間。例年、交流戦で流れが変わることも多いため、今週の2カードは好調選手の働きが重要になりそうだ。
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