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プロ野球投手の開幕連勝記録ランキング、ロッテ佐々木朗希はどこまで伸ばすか

2023 4/26 06:00SPAIA編集部
ロッテの佐々木朗希,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

スライダーの割合増やした佐々木朗希

ロッテの佐々木朗希が無双状態だ。2023年は第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)に出場し、準決勝メキシコ戦に先発するなど侍ジャパンの世界一に貢献。チームに戻ってシーズンが開幕すると、ここまで3連勝をマークしている。

しかも、投球内容が秀逸。今季初先発だった4月6日の日本ハム戦は6回1安打11奪三振無失点、同14日のオリックス戦は7回1安打11奪三振無失点、同21日のソフトバンク戦でも7回3安打8奪三振無失点と3試合とも完璧な内容だ。

計20回で被安打わずか5本、奪った三振は30個、与えた四球は3個で、被本塁打も失点も0。相手チームの打者からすればお手上げ状態というのが正直なところだろう。

ここまでの最高球速は昨季と同じ164キロ。特にスピードが上がったわけではない。昨季との違いはスライダーの多さだ。

昨季は全投球の5%程度だったが、今季は13.7%。左打者に対してはわずか2.3%とほとんど投げていない一方、右打者には33.0%を占めており、21.4%のフォークより多い。相手打者からすれば剛速球に加えて、落ちる球と逃げる球をケアするのは至難の業であることは間違いない。

昨季も4月10日のオリックス戦で完全試合を達成するなど春は調子が良かったが、シーズン中にやや疲れが出た。今季はシーズンを通して先発ローテーションを担えるだけのスタミナが課題となる。本当の勝負はこれからだろう。

投手の開幕連勝記録ランキング

とはいえ、佐々木朗希の快投を見ていると、どこまで連勝が続くのか楽しみになる。歴代投手の開幕連勝記録は以下の通りとなっている。

投手の開幕連勝記録


歴代1位は2013年に田中将大(楽天)がマークした開幕24連勝。年間の登板数を考えると、今後破られる可能性は極めて低い「不滅の金字塔」だ。

2位は稲尾和久(西鉄)が1957年に記録した開幕20連勝。シーズンでは35勝を挙げ、最多勝、最優秀防御率、最高勝率の三冠に輝き、史上最年少のリーグMVPに選出された。

3位はヴィクトル・スタルヒン(巨人)の開幕18連勝。須田博に改名した1940年はシーズン38勝をマークした。

4位は間柴茂有(日本ハム)が1981年、斉藤和巳(ソフトバンク)が2005年にマークした15連勝。篠原貴行(ダイエー)が1999年に記録した14連勝が6位で続く。

7位は1947年の御園生崇男(阪神)、1966年の堀内恒夫(巨人)、2020年の菅野智之(巨人)がマークした13連勝。このうち菅野は開幕投手として最多連勝記録となっている。

さらに中谷信夫(南海)が1948年、林俊彦(南海)が1965年、岩隈久志(近鉄)が2004年に記録した開幕12連勝が10位で並んでいる。

投手の連勝記録ランキング

「開幕」という縛りを外し、シーズン途中からやシーズンをまたいだ投手の連勝記録も見ていこう。ちなみに佐々木朗希は2022年の最終登板だった9月14日の日本ハム戦でも勝っており、現時点で4連勝となっている。

投手の連勝記録


1位は田中将大(楽天)が2012年から2013年にマークした28連勝。松田清(巨人)は1951年から1952年にかけて20連勝を記録しており、1957年に開幕20連勝した稲尾と並んでいる。

1947年に開幕13連勝した御園生崇男(阪神)は1936年から通算すると18連勝をマーク。先述のスタルヒンや、1981年から1985年に記録した中田良弘(阪神)、2021年から2022年に記録した山本由伸(オリックス)も18連勝した。1970年から1971年に17連勝した足立光宏(阪急)が8位で続いている。

連勝記録には味方打線の援護やバックの堅い守りも必要で、開幕連勝記録ランキング上位12人の所属チームはほとんどが優勝している。2005年のソフトバンクもシーズン最高勝率ながらプレーオフでロッテに敗れて2位となったため、クライマックスシリーズとなった現行ルールなら優勝だ。

オリックスとの合併騒動でグラウンド外の話題の方が多かった2004年の近鉄は5位だったが、いずれにしてもチームが強いからこそ連勝記録も伸びると言えるだろう。

今季のロッテは開幕ダッシュに成功している。チームの好調が続けば続くほど、佐々木朗希の連勝記録も伸びるかも知れない。

※成績は2023年4月24日現在

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