秋山翔吾は先週19打数10安打の大暴れ
プロ野球のセ・リーグは、広島がヤクルトに3連勝して首位浮上した。連日の逆転勝ちで開幕4連敗から逆襲している。逆にヤクルトは4連敗で4位転落。巨人も先週は2勝4敗で最下位に転落するなど、目まぐるしく順位が入れ替わる1週間となった。
SPAIAでは4月11日から4月16日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
首位に立った広島は秋山翔吾が絶好調だ。19打数10安打の打率.526をマークし、wRAAは12球団トップの5.3だった。4月11日の中日戦で4安打を固め打ちすると、同15日のヤクルト戦では逆転サヨナラ2ラン、翌16日も3安打の猛打賞と大暴れ。今季通算でも12球団トップの打率.468、リーグ3位の9打点を挙げている。
シーズン216安打のNPB記録を持つヒットメーカー。不動の3番として欠かせない存在となっており、広島移籍2年目でようやく本領を発揮している。
阪神は木浪聖也、ヤクルトはオスナがトップ
DeNAは牧秀悟が調子を上げてきた。開幕当初はバットが湿っていたが、先週は14打数6安打の打率.429、2本塁打、5打点でwRAA3.9をマークした。16日の阪神戦では結果的に決勝点となる先制2号2ラン。宮﨑敏郎とともに打線を牽引している。
阪神は打線が元気なく、横浜スタジアムで10連敗を喫した。その中でキラリと光るのが木浪聖也。15打数6安打の打率4割をマークし、wRAA1.1でチームトップだった。ショートの開幕スタメンは小幡竜平に譲ったが、5年目の28歳が存在感を発揮している。
4位転落したヤクルトはホセ・オスナがwRAA2.4でトップだった。17打数7安打の打率.412。チームの勝利には結びつかなかったが、15日の広島戦では3安打を放つなど、調子の上がらない4番・村上宗隆の後を打つ5番としてポイントゲッターの役割を果たしている。
中日・細川成也、巨人・オコエ瑠偉も好調
中日は昨オフの現役ドラフトで獲得した細川成也が5試合連続安打と好調だ。18打数8安打の打率.444、2打点でwRAA3.8。近年は貧打が課題だった中日で、DeNA時代から期待され続けてきた未完の大砲候補が成長の跡を示している。
最下位に転落した巨人も現役ドラフト組のオコエ瑠偉が24打数9安打の打率.375、1本塁打と好調をキープ。16日の中日戦では勝利にはつながらなかったものの2号ソロ本塁打を含む2安打を放つなど、新天地でポテンシャルを開花させている。
首位から最下位まで4ゲーム差にひしめくセ・リーグ。混戦を抜け出すには起爆剤となる存在が必要だろう。好調な打者に結果が求められるのはもちろん、不振の打者の復調も待たれる。
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