打線湿るヤクルトは濱田太貴がトップ
プロ野球の2023年シーズンは開幕3カードが終了した。セ・リーグではヤクルトが6勝2敗1分けで首位、阪神が5勝2敗1分けで2位と開幕前から優勝候補に挙げられていた両チームが好スタート。開幕4連敗の広島は4連勝で勝率5割に戻したが、逆に巨人は5連敗で3勝6敗の5位と開幕ダッシュに失敗している。
SPAIAでは3月31日から4月9日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。

首位のヤクルトだが、9試合でわずか8失点、防御率0.77の投手陣の奮闘によるところが大きく、チーム打率は.168と湿っている。チームトップの濱田太貴でもwRAA0.4に過ぎない。
明豊高からドラフト4位で入団して5年目の濱田は1番センターで開幕スタメン出場し、ここまで7試合出場で25打数6安打の打率.240。4月6日の中日戦では高橋宏斗からソロ本塁打も放った。
主砲・村上宗隆が1本塁打、打率.212と調子が上がらない中、伸び盛りの濱田にかかる期待は大きい。
阪神は近本光司がトップ、広島デビッドソンは早くも4本塁打
2位・阪神は近本光司がチームトップのwRAA4.5。ここまで8試合にフル出場して26打数7安打の打率.269、2打点。まだ盗塁を決めていないものの、10四球を選んで出塁率は.474をマークしている。
12球団トップのwRAA6.7を記録したのがDeNA宮﨑敏郎。8試合出場で30打数13安打の打率.433、3本塁打、9打点。打率と本塁打はリーグ2位、打点はリーグトップの大活躍だ。WBCに出場した4番・牧秀悟が不振な分、2017年の首位打者が打線を牽引している。
DeNAと並んで4勝4敗で3位の広島はマット・デビッドソンが12球団トップの4本塁打をマーク。打率は.217と確実性には欠けるものの、wRAA4.4とパワーで貢献している。今後もポイントゲッターとして機能すればチームの得点力も上がるだろう。
中日はビシエドがトップもチーム総得点わずか12
負け越しスタートとなった巨人は、岡本和真が好調なのは心強いだろう。ここまで34打数15安打の打率.441でリーグトップ。本塁打、打点ともにゼロなのは気掛かりではあるが、wRAA5.9と高い。チームを引っ張る活躍が期待される。
2勝6敗と出遅れた中日はダヤン・ビシエドがwRAA0.4と低いながらもチームトップだ。7試合出場で28打数8安打の打率.286。8試合でチーム総得点がわずか12と貧打にあえぐ中で、来日8年目の助っ人に頼らざるを得ない状況となっている。
11日から4カード目に入るプロ野球。好調の打者は調子をキープするか、あるいは不振の打者は脱出するか、スランプが続くのか。首脳陣の見極めと起用法も注目される。
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