オープン戦3本塁打の清宮と万波
日本中がワールドベースボールクラシックに熱狂する中、侍ジャパンに選出されていない選手たちは着々と開幕への準備を進めている。
3月12日現在、オープン戦の本塁打王は日本ハムの清宮幸太郎と万波中正。期待の大砲候補2人がトップを並走している。
清宮は早稲田実から入団5年目だった2022年、自己最多の129試合に出場して18本塁打、55打点をマーク。2021年の秋季キャンプで新庄剛志監督に「ちょっと痩せない?」とダイエット指令を受けてから見違えるように引き締まった体でスイングのキレを増した。
万波も横浜高から入団4年目だった2022年に自己最多の100試合に出場して14本塁打、40打点をマーク。守備でも好プレーを連発するなど、攻守に成長の跡を見せた。
2023年は北広島市に新設されたエスコンフィールド北海道に本拠地を移転。新球場は札幌ドームより狭く、さらなるアーチ量産も期待できる。2人が打線を牽引する活躍を見せれば、日本ハムがパ・リーグの台風の目となる可能性もある。
ローボールヒッターの清宮
2人に共通する課題は確実性だ。ストライクゾーンを9分割した2022年の清宮のコース別打率は下の通りとなっている。
ローボールヒッターの清宮は真ん中低めが打率.319と最も高い。続いて外角ベルトラインの打率.310と、長いリーチとバットの遠心力を活かしていることが分かる。
ただ、外角低め、外角高め、内角高めは打率2割未満を示す青色に染まっており、内角低めも打率.200と四隅を打てていない。驚くことに、ど真ん中も.179の低打率だ。得意コースと苦手コースがこれだけハッキリ出ると、相手投手は攻めやすいだろう。
さらに対右投手の打率.216、13本塁打に対し、対左投手は打率.182、3本塁打と左腕が苦手。克服すべき課題は明白だ。
万波も左腕が苦手?
一方、万波の2022年コース別打率は下の通りとなっている。
これほど分かりやすい図も珍しいが、打率3割以上を示す赤色はど真ん中のみ(打率.364)。内角と真ん中高め、外角低めは打率2割未満の青色に染まっている。
また、右打ちの万波だが、対右投手の打率.218、13本塁打に対し、対左投手は打率.149、1本塁打と左腕を苦手にしている。相手投手にすれば一発の怖さはあるものの、コントロールミスさえなければ打たれる危険性は低いため、投げるコースへの迷いは少ないだろう。
清宮、万波ともまだまだ粗削りであることは否めないが、それでも魅力のある打者であることも確か。本拠地移転した新生日本ハム打線の象徴的存在としてさらなる飛躍が期待される。
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