プロ同期入団の中日・柳裕也から二塁打
DeNAの京田陽太内野手(28)が2月25日の古巣・中日とのオープン戦(北谷)に1番ショートで先発出場し、2016年ドラフト同期で中日入りした柳裕也から二塁打を放った。
中日・立浪和義監督に「戦う顔をしていない」と指摘された2022年は、土田龍空に出場機会を譲ってプロ入り後最少の43試合出場にとどまり、オフに砂田毅樹との交換トレードでDeNAに移籍。湧き上がる感情は胸にしまい込み、新天地で再出発を誓った。
中日の柳は明治大から1位で入団。日本大から2位で入団した京田とは誕生日も2日しか違わないプロ同期生だ。
25日の初回、第1打席。2021年に最優秀防御率と最多奪三振に輝くなど中日投手陣を引っ張る右腕に、そして相手ベンチに陣取る立浪監督に、しまい込んだ感情を見せつけるかのように京田はバットを振り切った。
打ち上げた飛球は強風の影響もあってライト前にポトリ。結果的に二塁打となった。その後、佐野恵太の犠飛で先制のホームを踏み、第2打席でも四球を選んでネフタリ・ソトの逆転3ランで生還した。
大和、柴田竜拓、森敬斗らとポジション争い
ルーキーイヤーの2017年は141試合に出場し、149安打、23二塁打、8三塁打、4本塁打、23盗塁、打率.264をマーク。セ・リーグ新人王に輝いた。
しかし、2年目以降はフル出場した2018年の試合数と2020年の本塁打数(5本)を除き、全ての項目で1年目と同じか下回っている。さらに2022年は43試合出場で22安打、打率.172。昨季までのプロ6年間でルーキーイヤーがキャリアハイなのだ。
右肩下がりの成績をV字回復させるべく、意気込みは並々ならぬものがあるだろう。25日の中日戦、1番ショートで起用した三浦大輔監督は「意識する部分は多々あると思いますけど、あえてそうした」とその心意気を買ったことを明かした。
DeNAのショートは35歳のベテラン大和、昨季96試合に出場した29歳の柴田竜拓、2019年ドラフト1位の21歳・森敬斗らと争う。26日の巨人とのオープン戦に京田は9番サードでスタメン出場しており、三遊間で併用される可能性もあるが、サードには宮﨑敏郎がいるため、どちらにしても競争は激しい。
まずは堅実な守備でアピールが必要だろう。その上でバットでどこまで存在感を示せるか。バントや走塁なども含め、必要とされる場面で確実に仕事をこなしてチャンスをつかむしかない。
中日時代に「1」だった背番号は「98」になった。中日時代のチームメートで2021年に急逝した木下雄介さんの背番号でもある。北谷公園野球場の左打席に立った時、一塁側ベンチの敵将・立浪監督はその背中をどんな思いで見つめたのだろうか。苦労人を思いやる心情に敵も味方もない。京田の活躍を願う野球人は多いに違いない。
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