練習試合で本塁打を量産
ロッテの山口航輝が外野の定位置獲りへ、バットでアピールしている。2月19日に行われたヤクルトとの練習試合に途中出場すると、8回に尾仲祐哉から中越え本塁打を放った。これで14日の中日戦から始まった練習試合で、6試合に出場して4発と本塁打を量産している。
4年目の昨季は35試合で4番を務め、チーム最多の16本塁打を放つなど、着実なステップアップを見せた。このオフは3度の本塁打王に輝いた西武・山川穂高に弟子入り。体の使い方やスイングの形、意識する打球方向などを学び、さらなる進化に余念はない。
チームの外野は、ベテランの荻野貴司に、昨年レギュラーを掴んだ高部瑛斗。さらに今季加入した助っ人のグレゴリー・ポランコに、同じ5年目の藤原恭大らライバルがひしめいている。外野の定位置争いを勝ち抜くには早めのアピールが不可欠なだけに、まずは順調なスタートを切ったと言っていいだろう。
ただ、予断を許さない。昨春はオープン戦で調子を落とし、開幕スタメンを逃す苦い経験をしている。今後も自慢の長打を生かして本塁打を量産し続け、昨年の雪辱を晴らしたいところだ。
数々の強打者たちが越えられなかった30本の壁
山口は今季の目標に30発超えを掲げた。昨季の16本塁打からは倍近い数字になる。ただ、昨季の本数は102試合の出場で記録したもの。仮に143試合全試合に出場していたなら、22本塁打を放っていた計算になる。今季レギュラーを勝ち取ることができれば、30本は十分に狙える数字だろう。
球団では、昨季まで在籍していたブランドン・レアードが2019年に32本塁打を記録しているが、日本人による30発超えは1986年の落合博満までさかのぼる。打率.360、50本塁打、116打点で3度目の三冠王に輝いた年だ。山口が今季の目標を達成したとき、それは同時に37年ぶりの偉業を達成したことになり、球団史に名を刻むことになる。
だが、ロッテではこれまで数々の強打者たちがこの30というカベを超えられずにいる。主に1990年代に主軸として活躍した初芝清は20本塁打以上を4度記録したが、95、98年の25本が最多で30本には届かなかった。
それ以降も、左の長距離砲として活躍した大松尚逸は2008年の24本、“アジャ”こと井上晴哉も18、19年の24本が最多。ダイエー(現ソフトバンク)時代の2001年に30本塁打を記録した前監督の井口資仁も、2013年の23本が最多と誰一人として30の大台には手が届かなかった。
球団は2025年までに常勝軍団を作り上げるビジョンを掲げている。これを達成するためには、打線の軸となる4番にどっしりと座る大砲が必要不可欠だろう。そして、その4番には30本、40本を当たり前のように期待される打者が理想的だ。
山口はそんな理想の4番となれる素質を持っている。今季5年目の22歳とまだまだ成長途上の大砲候補が、シーズンでも大暴れして30本の呪縛を解き放つことを期待したい。
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