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オリックス吉田正尚の後継4番は誰だ?「ラオウ」杉本裕太郎への期待と不安

2023 2/15 06:00SPAIA編集部
オリックスの杉本裕太郎,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

新外国人獲得も杉本の固定が理想

連続日本一を目指すオリックスの最大の懸案は、レッドソックスに移籍した吉田正尚の穴をどう埋めるかだろう。2020年は打率.350、2021年は同.339で2年連続首位打者に輝き、2021、22年は最高出塁率のタイトルも獲得するなどリーグ屈指の強打者の穴は大きい。

2022年の日本シリーズ第5戦では同点で迎えた9回に特大のサヨナラ2ランを放つなど、数字に表れない勝負強さも持ち合わせていた。年齢的にも29歳とチームの精神的支柱でもあった。簡単に代役が見つかるはずはない。

西武からFAで獲得した森友哉は首位打者の実績もある「打てる捕手」だが、ほとんどバッテリーを組んだことのない投手をリードする移籍1年目は捕手として守りの面での苦労も大きい。

となると、やはり吉田の青山学院大の先輩でもある杉本裕太郎が有力候補となる。2021年は32本塁打でタイトルを獲得してリーグ優勝に貢献したが、2022年は15本塁打、51打点にとどまった。

開幕スタメンは3番・吉田、4番・杉本だったものの、その後は4番・吉田、5番・杉本の並びも増加。杉本が6番、7番、8番など下位打線に降格した試合もあった。

オリックスはメジャー通算22本塁打、マイナー通算136本塁打の新助っ人フランク・シュウィンデルを獲得。昨季、カブスでチームメイトだった鈴木誠也から「日本ではフォークへの対応が大事」とアドバイスを受けたという。

また、メジャー通算107本塁打のスイッチヒッター、マーウィン・ゴンザレスの獲得も報じられている。キャンプ、オープン戦の結果次第だが、順当なら2人の新外国人のいずれかが4番を打つことが予想される。

ただ、長い目で見ると、チームの主軸は日本人が理想。実績のある杉本が4番、あるいは5番あたりで腰を据えることができるかどうかがカギだろう。

狭いスイートスポット、左腕対策も急務

身長190センチ、体重104キロの恵まれた体格を誇る杉本は、パワーでは外国人選手にも引けを取らない。ただ、そのパワーを活かせるスイートスポットが限られているのが課題だ。ストライクゾーンを9分割した2022年のコース別打率は以下の通りとなっている。

杉本裕太郎のコース別打率


打率3割以上を示す赤色は外角高めのみ。逆に打率2割未満を示す青色は5コースに散らばっている。

長いリーチと遠心力を活かして外角高めは打率.415と極端に強いが、逆に長いリーチが邪魔になる内角や、得意の外角からボールになる変化球には対応できていない。これだけ傾向がハッキリと出ていると、相手投手は攻めやすいだろう。

もうひとつ気になるのが、左投手に弱いこと。昨季は対右投手が打率.262、13本塁打をマークしたのに対し、対左投手は打率.153、2本塁打とからっきし打てなかった。左腕から内角にくい込むクロスファイヤーがリーチの長い杉本を苦しめたのかも知れない。これも早急な対策が必要だ。

昨季、最終戦でV逸となったライバルのソフトバンクはオフに大型補強を敢行した。オリックスがリーグ3連覇を果たすには杉本の活躍が不可欠。ラオウが天高く拳を突き上げるシーンをファンは待っている。

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