2022年の日本シリーズ「影のMVP」
オリックスの宇田川優希が、3月に行われる第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)のメンバーに内定したことが報じられた。まだ発表はされていないが正式に決まれば、育成契約から這い上がり、まだプロで19試合しか投げていない剛腕の異例の大抜擢となる。
宇田川は埼玉県出身の24歳。埼玉・八潮南高から仙台大に進み、150キロを超える速球でドラフト候補となった。育成枠なら社会人に進むことを事前に通知していたが、4年生時に調子を落としたためスカウトの評価が下がり、結果的にはオリックスから2020年ドラフトで育成3位指名。同じく育成5位指名だったチームメイトの佐野如一とともに入団拒否する可能性も示していた。
しかし、前年の育成7位でオリックスに入団した仙台大の先輩・佐藤優悟(現BCリーグ福島)の存在もあって入団を決意。背番号013、年俸240万円で入団が決まった。
1年目の2021年は二軍でも1試合に登板したのみ。2年目の2022年3月に新型コロナウイルスに感染して開幕に出遅れたものの、遅れを取り戻すべくウェイトトレーニングに励んだことで球威がアップした。二軍で15試合に登板し、14.1イニングで21奪三振、防御率1.88の好成績をマーク。7月28日、ついに支配下登録を勝ち取った。
9月8日の西武戦でプロ初勝利。徐々に首脳陣の信頼をつかみ、19試合で22.1イニングを投げ、32奪三振、2勝1敗3ホールド、防御率0.81の好成績で逆転優勝に貢献した。
さらにクライマックスシリーズでも2試合無失点、日本シリーズでは4試合に登板して計5.2イニングを投げ10奪三振、無失点で、日本一に輝いたチームの「影のMVP」とも言われた。