「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

ロッテ投手の通算勝利数ランキング 現役トップは石川歩、歴代1位は「マサカリ投法」の村田兆治

2023 1/27 11:00SPAIA編集部
ロッテの石川歩,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

歴代1位は村田兆治で唯一の200勝超え

2025年までに常勝軍団になるビジョンを掲げているロッテは2023年、吉井理人氏が新監督に就任。現役時代、日米7球団でプレーし、指導者としてもロッテ含め3球団で投手コーチを務めていただけに、“投手王国”構築への期待も高い。

2023年、投手陣を引っ張るエースは石川歩。2022年は自身3度目の開幕投手を務め、7勝を挙げた。プロ9年間で積み上げた勝利数は76。これは球団に在籍している投手ではトップの数字となっている。

では、これまでの球団史の中で最多の勝利を挙げた投手は誰だろうか。ロッテ在籍時の通算勝利数ランキングを紹介する(前身球団含む)。

ロッテ投手の歴代通算勝利数ランキング


歴代1位は村田兆治の215勝だ。「マサカリ投法」と呼ばれたダイナミックなフォームから150キロ超の剛速球と落差の大きなフォークで三振の山を築いた昭和のパ・リーグを代表する投手。1982年に右肘を痛めトミー・ジョン手術を受けたが、厳しいリハビリの末、84年終盤に復帰した。

85年は開幕からほぼ日曜日の登板で11連勝し、「サンデー兆治」とも呼ばれた。ロッテ一筋で23年間プレーし、90年限りで現役を引退。以後もトレーニングを続け、60歳を超えても130キロ超の速球を投げていた。2022年11月、自宅の火災が原因で帰らぬ人となった。

2位は173勝で荒巻淳。1950年に毎日へ入団すると、「火の玉投手」と呼ばれるほどの快速球を武器に、1年目から26勝、防御率2.06で最多勝、最優秀防御率の投手2冠に輝き、新人王にも選ばれた。翌51年は故障で急失速したが、技巧派として復活。抜群の制球力と多彩な変化球で54年、56年にも20勝以上をマークした。62年に阪急へ移籍し、同年限りで引退した。

通算300勝超えの小山正明が5位

3位は169勝で成田文男だ。1965年に東京へ入団。速球と切れのいいスライダーを武器に69年には球団初のノーヒットノーランを達成した。3年連続を含め4度20勝以上をマークし、70年には25勝、73年には21勝で最多勝を獲得。80年に日本ハムへ移籍し、82年限りで現役を引退した。

4位は小野正一で142勝。磐城高から常磐炭鉱、清峰伸銅を経て1956年に毎日へ入団し、2年目の57年に26勝、防御率1.73(いずれもリーグ2位)をマークした。60年には33勝、防御率1.98で最多勝と最優秀防御率を獲得。この時記録した救援での21勝はNPB記録となっている。65年に大洋、68年に中日へ移籍し、70年限りで引退した。

5位は140勝で小山正明。64年、山内一弘との「世紀のトレード」で阪神から東京に移籍してきた右腕は、抜群の制球力とパームボールを武器に初年度から30勝を挙げ最多勝を獲得した。

その後も2年連続20勝を挙げるなど先発として活躍し、70年にはNPB史上唯一の両リーグ100勝、71年には史上4人目の通算300勝を達成した。73年にトレードで大洋(現DeNA)へ移籍し、同年限りで現役を引退。2001年に野球殿堂入りしている。

6位は112勝で木樽正明。銚子商高のエースとして甲子園で活躍し、1965年ドラフト2位で東京に入団。4年目の69年に主にリリーフで15勝を挙げ、最優秀防御率を獲得した。70年には先発に転向して21勝を挙げ、10年ぶりのリーグ優勝に貢献し、MVPも受賞。翌71年には自己最多の24勝で最多勝、74年には球団24年ぶりの日本一にも貢献した。その後は持病の腰痛に苦しみ、76年限りで現役を引退している。

現早大監督の小宮山悟もランクイン

7位は110勝で仁科時成と坂井勝二が並んでいる。仁科は数種類のシンカーと投球術を駆使した技巧派サブマリン。山陽高から大倉工業を経て1976年ドラフト3位で入団し、4年目の80年に自己最多の17勝を挙げるなど2桁勝利を5度記録した。83年8月20日と84年5月29日(いずれも近鉄戦)の2度、9回二死まで無安打に抑えながらノーヒットノーランを逃している。

坂井もアンダースローで1959年に大毎へ入団。強気に内角を攻めるのが持ち味で歴代3位の通算143与死球を記録している。64年に自己最多の25勝を挙げるなど62年から7年連続2桁勝利をマークした。だが、チームが低迷期だったこともあり、通算で130敗を喫し、負け越している。70年にトレードで大洋へ移籍した。

9位は水谷則博で108勝。73年シーズン途中に中日からトレードで加入すると、中継ぎとして一軍に定着した。75年からは先発陣の一角を占め、80年から4年連続2桁勝利をマーク。82年にはリーグ最多の20完投で自己最多の14勝を挙げるなど、左腕エースとしてチームを支えた。登板なしに終わった88年オフにユニフォームを脱いだ。

10位は小宮山悟の97勝。芝浦工大柏高から早大を経て、1989年ドラフト1位で入団すると、10年間で5度の2桁勝利を挙げ、97年には最優秀防御率のタイトルを獲得するなどロッテ先発陣の柱となった。

2000年に横浜(現DeNA)へ、02年にはMLBのメッツへ移籍し、04年にロッテへ復帰。05年には中継ぎとしてリーグ優勝、日本一にも貢献し、09年に現役を引退した。19年からは母校の早大野球部で監督を務めている。

トップ10の顔ぶれは以上の通りとなった。現エースの石川歩は76勝でトップ10入りとはならなかったが、近いうちにランクインする可能性は十分にあるだろう。また、佐々木朗希や菊地吏玖らドラフト1位で入団した将来のエース候補も数多く控えている。常勝軍団を築き上げるためにも、新たな大投手の誕生に期待したい。

【関連記事】
現役投手の日米通算勝利数ランキング、楽天・田中将大が200勝へカウントダウン
オリックス歴代投手の通算勝利数ランキング 現役トップは54勝の山本由伸、歴代1位は伝説の鉄腕
西武ライオンズ歴代投手の通算勝利数ランキング、髙橋光成が50勝超えで現役トップ