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斎藤佑樹がプロ入りした2010年ドラフトで最も成功した球団は?

2023 1/6 06:00SPAIA編集部
千賀滉大と柳田悠岐,ⒸSPAIA
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大石達也に6球団、斎藤佑樹に4球団競合

斎藤佑樹が引退して1年が経ち、福井優也も楽天を戦力外となってBCリーグ福島レッドホープスに移籍が決まった。大石達也を含め、3人揃ってドラフト1位指名を受けた「早稲田大トリオ」はNPBから姿を消すことになった。

大石に6球団、斎藤に4球団が競合した2010年ドラフト。12年が経った今、結果的に最も成功を収めたのはどの球団だろうか。改めて振り返ってみたい。指名順が1番目だった横浜から見ていこう。

【横浜】
1位 須田幸太投手 JFE東日本
2位 加賀美希昇投手 法政大
3位 荒波翔外野手 トヨタ自動車
4位 小林寛投手 大阪学院大
5位 大原慎司投手 TDK
6位 福山博之投手 大阪商業大
7位 大原淳也内野手 香川オリーブガイナーズ
8位 靍岡賢二郎捕手 愛媛マンダリンパイレーツ
育成1位 松下一郎捕手 関西外国語大

横浜1位の須田は2013年に6勝、2016年には62試合に登板し、通算16勝19敗1セーブ37ホールドの成績を残したが2018年に引退。福山博之は楽天移籍後に17勝9セーブ102ホールドを挙げたが、2022年限りでユニフォームを脱いだ。2023年を現役で迎えた選手はいない。

【楽天】
1位 塩見貴洋投手 八戸大
2位 美馬学投手 東京ガス
3位 阿部俊人内野手 東北福祉大
4位 榎本葵外野手 九州国際大付高
5位 勧野甲輝内野手 PL学園高
育成1位 加藤貴大投手 富山サンダーバーズ
育成2位 木村謙吾投手 仙台育英高
育成3位 川口隼人内野手 高島ベースボールクラブ

八戸大から楽天に入団した左腕・塩見貴洋は通算46を挙げているが、2021年はわずか1試合登板、2022年は登板なし。2023年は野球人生の正念場だろう。美馬学は2019年オフにFA宣言してロッテに移籍。通算77勝77敗5ホールドの成績を残している。

【広島】
1位 福井優也投手 早稲田大
2位 中村恭平投手 富士大
3位 岩見優輝投手 大阪ガス
4位 金丸将也投手 東海理化
5位 磯村嘉孝捕手 中京大中京高
6位 中﨑翔太投手 日南学園高
7位 弦本悠希投手 徳島インディゴソックス
育成1位 山野恭介投手 明豊高
育成2位 池ノ内亮介投手 中京学院大

広島は先述した福井優也が2018年オフに移籍した楽天を戦力外となり、福島レッドホープスに移籍。磯村嘉孝と中﨑翔太が現役でプレーしている。

【オリックス】
1位 後藤駿太外野手 前橋商業高
2位 三ツ俣大樹内野手 修徳高
3位 宮﨑祐樹外野手 セガサミー
4位 塚原頌平投手 つくば秀英高
5位 深江真登外野手 明石レッドソルジャーズ

オリックスは大石達也、伊志嶺翔大、山田哲人と抽選で3度外した末、後藤駿太を1位指名。2022年7月に石岡諒太との交換トレードで中日へ移籍した。三ツ俣大樹は2022年に中日を戦力外となったが、合同トライアウトを経てヤクルト入りしている。

ヤクルト外れ外れ1位で山田哲人、日本ハム2位で西川遥輝

【ヤクルト】
1位 山田哲人内野手 履正社高
2位 七條祐樹投手 伯和ビクトリーズ
3位 西田明央捕手 北照高
4位 又野知弥外野手 北照高
5位 久古健太郎投手 日本製紙石巻
6位 川崎成晃外野手 熊本ゴールデンラークス
育成1位 北野洸貴外野手 神奈川大
育成2位 上野啓輔投手 香川オリーブガイナーズ
育成3位 佐藤貴規外野手 仙台育英高

ヤクルトは斎藤佑樹、塩見貴洋を外して「外れ外れ1位」で山田哲人を指名。トリプルスリーを3度達成するなど球界を代表する強打者に成長した。西田明央はレギュラー獲得には至っていないものの通算278試合に出場している。

【日本ハム】
1位 斎藤佑樹投手 早稲田大
2位 西川遥輝外野手 智弁和歌山高
3位 乾真大投手 東洋大
4位 榎下陽大投手 九州産業大
5位 谷口雄也外野手 愛工大名電高
6位 齊藤勝投手 セガサミー

4球団競合の末、日本ハムに入団した斎藤は引退したが、2位の西川遥輝は現役だ。2022年から楽天に移籍し、通算1313安打をマークしている。

【巨人】
1位 澤村拓一投手 中央大
2位 宮國椋丞投手 糸満高
3位 田中太一投手 大分工業高
4位 小山雄輝投手 天理大
育成1位 和田凌太内野手 広島工業高
育成2位 岸敬祐投手 愛媛マンダリンパイレーツ
育成3位 福泉敬大投手 神戸9クルーズ
育成4位 荻野貴幸内野手 愛知工業大
育成5位 財前貴男内野手 エイデン愛工大OB BLITZ
育成6位 成瀬功亮投手 旭川実業高
育成7位 川口寛人内野手 西多摩倶楽部
育成8位 丸毛謙一外野手 大阪経済大

巨人から単独1位指名された澤村拓一は2020年9月に香月一也とのトレードでロッテに移籍し、同年オフにFA宣言してレッドソックス入り。2位の宮國椋丞は2021年からDeNAに移籍し、通算22勝22敗1セーブ21ホールドの成績を残している。育成で8人を指名したが、すでに全員がユニフォームを脱いだ。

【ロッテ】
1位 伊志嶺翔大外野手 東海大
2位 南昌輝投手 立正大
3位 小林敦投手 七十七銀行
4位 小池翔大捕手 青山学院大
5位 江村直也捕手 大阪桐蔭高
6位 藤谷周平投手 南カリフォルニア大
育成1位 黒沢翔太投手 城西国際大
育成2位 山口祥吾投手 立花学園高
育成3位 石田淳也投手 NOMOベースボールクラブ

ロッテは斎藤佑樹の外れ1位で伊志嶺翔大を指名したが、2019年に引退。同期入団で唯一現役の江村直也は通算239試合に出場している。

西武3位で秋山翔吾、中日1位で大野雄大、ソフトバンク2位で柳田悠岐

【阪神】
1位 榎田大樹投手 東京ガス
2位 一二三慎太投手 東海大相模高
3位 中谷将大捕手 福岡工大城東高
4位 岩本輝投手 南陽工業高
5位 荒木郁也内野手 明治大
育成1位 阪口哲也内野手 市立和歌山高
育成2位 島本浩也投手 福知山成美高
育成3位 穴田真規内野手 箕面東高

阪神は大石達也を外して榎田大樹を1位指名。西武に移籍した2018年に11勝を挙げたが、2021年に引退した。育成2位の島本浩也は2019年に63試合登板し、4勝1セーブ11ホールドをマーク。翌年にトミー・ジョン手術を受けて育成契約に戻っていたが、2022年に支配下登録に復帰し、一軍で15試合に登板した。

【西武】
1位 大石達也投手 早稲田大
2位 牧田和久投手 日本通運
3位 秋山翔吾外野手 八戸大
4位 前川恭兵投手 阪南大高
5位 林﨑遼内野手 東洋大
6位 熊代聖人外野手 王子製紙

西武は6球団競合の大石達也を引き当てたが、通算5勝どまりで2019年に引退した。牧田和久はアンダースローとしてパドレスでもプレーし、楽天を戦力外となった後、台湾・中信兄弟に所属した2022年に現役を引退。3位・秋山翔吾は2015年にNPB記録の216安打をマークするなどヒットメーカーとして活躍し、現在は広島でプレーしている。熊代聖人は通算605試合に出場し、2022年にユニフォームを脱いだ。

【中日】
1位 大野雄大投手 佛教大
2位 吉川大幾内野手 PL学園高
3位 武藤祐太投手 Honda
4位 森越祐人内野手 名城大
5位 関啓扶投手 菰野高

中日は佛教大の左腕・大野雄大を単独指名。2022年まで通算84勝を挙げており、リーグを代表する左腕となった。侍ジャパンの一員としてプレミア12や東京五輪にも出場している。

【ソフトバンク】
1位 山下斐紹捕手 習志野高
2位 柳田悠岐外野手 広島経済大
3位 南貴樹投手 浦和学院高
4位 星野大地投手 岡山東商業高
5位 坂田将人投手 祐誠高
育成1位 安田圭佑外野手 高知ファイティングドッグス
育成2位 中原大樹内野手 鹿児島城西高
育成3位 伊藤大智郎投手 誉高
育成4位 千賀滉大投手 蒲郡高
育成5位 牧原大成内野手 熊本・城北高
育成6位 甲斐拓也捕手 楊志館高

ソフトバンクは斎藤佑樹の外れ1位で山下斐紹を指名したが、楽天、中日とわたり歩いて2022年にユニフォームを脱いだ。2位・柳田悠岐は2015年にトリプルスリーに輝くなど通算1379安打238本塁打をマーク。育成4位の千賀滉大は通算87勝の実績を引っ提げ、メジャー挑戦する。同5位・牧原大成や同6位・甲斐拓也もチームに欠かせない存在となった。

結果的に見れば、投打で球界を代表する選手を獲得したソフトバンクが、2010年ドラフトの「勝ち組」と言えるだろう。育成指名からメジャーリーガーが誕生するなど誰が想像しただろうか。アマチュア時代の実績とプロでの活躍は必ずしも一致しない。2023年はルーキーたちがどんなプレーを見せるのか楽しみだ。

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