再び実績ある中継ぎ投手が漏れる可能性
ソフトバンクは12日、日本ハムから海外フリーエージェント（FA）権を行使していた近藤健介外野手（29）の獲得を発表した。近藤は旧球団である日本ハムの年俸上位3位以内に入っていると推測され、日本ハムはソフトバンクに対し金銭のみの補償（旧年俸の80％）、もしくは人的補償及び金銭補償（旧年俸の50％）を要求することができる。
今回は、日本ハムが人的補償を要求した場合のソフトバンクのプロテクトリストを予想してみたい。ソフトバンクは今秋のドラフトで指名した新人選手と外国人選手を除いた支配下選手の中から28人までプロテクトすることができる（育成選手は補償対象外）。ポジションごとに誰をプロテクトするのかSPAIA編集部が独自に予想した。
まずは投手。先発は8人で今季ローテーションに入っていた東浜巨、石川柊太、和田毅、大関友久、終盤戦で先発として頭角を現した板東湧梧の5人はプロテクト確実だろう。さらに、来季先発転向予定の藤井皓哉、実績のある武田翔太、将来のエース候補、昨年のドラフト1位・風間球打も確保した。
中継ぎは6人。今季勝利の方程式を形成した津森宥紀、又吉克樹、松本裕樹、嘉弥真新也の4人に加え、今季復活を印象付けた甲斐野央と3年連続30登板以上の泉圭輔をプロテクトした。
2018年のセーブ王・森唯斗はリスト外に。ソフトバンクは過去に馬原孝浩や岩嵜翔といった実績のあるリリーバーが人的補償で移籍した前例がある。ここ2年、年俸に見合う活躍ができていない森が外れていてもおかしくはないだろう。そのほか、19年に2桁勝利をマークした高橋礼、今季鮮烈デビューを飾った田上奏大、田中正義と高橋純平の実績がないドラ1コンビもプロテクトから外れた。
【投手】14人
東浜巨、石川柊太、和田毅、大関友久、板東湧梧、藤井皓哉、武田翔太、風間球打、津森宥紀、又吉克樹、松本裕樹、嘉弥真新也、甲斐野央、泉圭輔
野手は外野手を厚めにプロテクト
捕手のプロテクトは2人と予想。リーグ屈指の投手陣をリードする正捕手・甲斐拓也は確実。このオフにDeNAからFA移籍した嶺井博希も既に保留者名簿に記載されているため、プロテクトした。
今季出場数を増やした守備に定評のある海野隆司と打撃が魅力の渡邉陸は、他の野手との兼ね合いでプロテクト外。その他にも九鬼隆平や谷川原健太ら、若手捕手が複数漏れる形となった。
【捕手】2人
甲斐拓也、嶺井博希
続いて内野手。不動の遊撃手・今宮健太、内外野守れるスーパーユーティリティの牧原大成、韋駄天・周東佑京、今季頭角を現した三森大貴と球団新人記録の10本塁打をマークした野村勇の5人は、確実にプロテクトされるだろう。
来季から栗原陵矢が三塁に挑戦することも考慮して、増田珠、リチャード、井上朋也、野村大樹の若手サード候補たちは、やむを得ずリスト外とした。
【内野手】5人
今宮健太、牧原大成、周東佑京、三森大貴、野村勇
最後に外野手。球界を代表する外野手の柳田悠岐、今季100試合以上に出場したベテラン中村晃と柳町達、今季はケガに泣くも昨年全試合に出場した栗原の4人は確定だろう。ただ、中村と栗原は来季内野がメインポジションとなる可能性が高いため、外野手は厚めにプロテクトしておきたい。
そのため、上記4人に加え、今季復活の兆しを見せた上林誠知、ドラフト2位ルーキーの正木智也と「ギータ2世」の呼び声高い笹川吉康の左右の大砲候補2人をプロテクト。2019年のドラ1佐藤直樹は漏れる形となった。
【外野手】7人
中村晃、柳田悠岐、栗原陵矢、柳町達、上林誠知、正木智也、笹川吉康
以上の28名が今回予想したプロテクト選手となる。12球団で1、2を争う選手層を誇るソフトバンクだけに、実績のある選手や若手有望株がプロテクトから漏れざるを得なかった。
一方、日本ハムにとっては近藤が抜けるのは大きな痛手となるが、人的補償でチームに多大な貢献を期待できる人材を発掘できるかもしれない。編成の腕の見せどころとなる。
今回の予想でプロテクト漏れとなった選手は以下の通り。
【投手】12名
田中正義、高橋礼、椎野新、森唯斗、尾形崇斗、杉山一樹、高橋純平、田浦文丸、木村大成、田上奏大、笠谷俊介、古川侑利
【捕手】5名
海野隆司、渡邉陸、九鬼隆平、牧原巧汰、谷川原健太
【内野手】6名
増田珠、井上朋也、リチャード、野村大樹、川原田純平、川瀬晃
【外野手】2名
佐藤直樹、水谷瞬
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