元オリックス、巨人の鈴木優さんが描く、引退後の壮大な人生設計

2022 12/21 06:00SPAIA編集部請川公一

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夫人と2人でYouTube撮影、来春には一家で渡米

プロ野球のオリックス、巨人でプレーし、2022年オフにユニフォームを脱いだ鈴木優さん（25）がSPAIAの単独インタビューに応じた。

鈴木さんは東京都立雪谷高のエースとして注目を集め、3年夏は東東京大会準々決勝で敗れて甲子園出場は逃したものの「都立の星」と騒がれた。2014年ドラフト9位でオリックスに入団し、2020年7月1日の西武戦でプロ初勝利。2021年に戦力外通告を受け、2022年は巨人でプレーしたものの一軍に上がることはできず、現役を引退した。

プロ通算成績は27試合登板、1勝3敗1セーブ2ホールド、防御率7.91。一流選手にはなれなかったが、プロではやり切ったという思いからきっぱりと現役への未練を断ち切り、第二の人生を切り開こうとしている。

巨人時代の鈴木優さん

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まず始めたのが、美里夫人と2人で撮影から編集まで全てを行っているYouTubeだ。

「大物選手の方もされていますが、僕のような二軍生活の長かった選手でもいろいろと発信できることはあります。来年アメリカに行くので、向こうでの生活やメジャーリーグ、マイナーリーグ、トレーニング施設なども紹介できたらと考えています」

11月29日に第一子の男の子、希碧（のあ）くんが誕生したばかり。10分の動画を制作するのに5時間くらいかかるというYouTubeだけでなく、お世話になった関係者への挨拶回り、イベント出演など多忙な日常に、育児という新たな仕事が加わった。

2023年4月から家族3人で渡米し、2年間の語学留学を予定。オリックス時代に武者修行でプエルトリコのウインターリーグに行った際に簡単な日常会話レベルの英語は覚えたが、流暢に話せるわけではない。現在も勉強中だが、渡米後は日本人の多いロサンゼルスで学校に通いながら育児とYouTubeを続けていくという。

学生ビザで行くため現地で就労はできず、現役時代に貯めたお金を取り崩しながら生活する予定。「大変なのは覚悟してます」と話すが、明るく前向きな夫人の理解がなければ不可能な計画だろう。

将来はオリックスのGMか母校・雪谷高の監督？

オリックスにドラフト同期入団した同い年の宗佑磨とは現役時代から仲が良い。同じ釜の飯を食った盟友は2022年の日本シリーズで優勝した。「僕もあの場所に立てたかなという思いと、純粋に嬉しい思いと半々だった」と明かす。

今後はYouTubeで他の野球関係者とのコラボやスタジアム巡りなども計画中。まだ登録者数は3000人を超える程度だが「とりあえず1万人を目指します」と意気込む。

ただ、発信は続けていくものの、YouTuberとして生計を立てるつもりはないという。今後どういう道に進もうと、自ら発信できるツールを持っていることは武器になる。あくまで長い人生を見据えた上でのスキルアップなのだ。

では、鈴木さんはどんな将来像を描いているのか。「野球には携わっていきたいです。現場よりフロントでやりたい気持ちが強い。一番好きなオリックスでやるのが夢ですね」と話す。

メジャーリーグは日本球界以上にGMの力が強い。そういった本場の野球に触れながら人脈を開拓し、チームマネジメントなどを学ぶことができればプロ球団にフロントマンとして戻ることも決して不可能ではないだろう。そのための語学留学でもある。

もうひとつの夢は母校・雪谷高の監督。「教師として赴任すると何年か経ったら他の高校に異動になるので、外部指導員として教えたい」と具体策まで頭の中にある。

起業も視野、アメリカ留学で「可能性を見出せたら」

夢を叶える上で、大切な家族を守ることは大前提。収入源を確保するために、いずれは起業することも考えているという。

「最終的には経済的に自立して、現場に出なくてもお金が入ってくるようなシステムを確立したいですね。アメリカで学びやつながりを増やして、いろんな可能性を見出せたら」と話す表情は元プロ野球選手というより、青年実業家のようだった。具体的にプランを練るのはまだ先だが、壮大な青写真をひとつでも実現に近付けるためのアメリカ留学でもあるのだ。

テレビ番組でも高視聴率をマークするプロ野球選手の引退後は、無念さや苦労がクローズアップされることが多いが、鈴木さんに悲壮感は全くない。むしろ今後の夢に向かって目を輝かせている。

最後に生まれたばかりの子供について「かわいいです」と話した時だけは、端正なマスクをほころばせた。

鈴木優さんと美里夫人と希碧くん

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