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阪神タイガース投手陣が「12球団最強」を示すデータ、岡田彰布監督の起用法は?

2022 12/20 11:00SPAIA編集部
阪神の青柳晃洋,ⒸSPAIA
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チーム防御率、与四死球など軒並み12球団トップ

ヤクルトが連覇した2022年のセ・リーグ。阪神は3位ながら68勝71敗4分けと負け越しに終わった。

しかし、チームの投手成績を見ると、負け越したのが信じられないほどの高い数値が並ぶ。防御率2.67、先発投手が6回以上を投げて自責点3以内に抑えるクオリティスタート(QS)81試合、与四球288、与死球40は全て12球団トップなのだ。

セイバーメトリクスで見ても、1イニングあたりに何人の出塁を許したかを表す指標「WHIP」は1.10、平均的な投手に比べて同じイニング数でどれだけ失点を防いだかを表す指標「RSAA」は98.2、奪三振と与四球の比率を表す指標「K/BB」は3.64、与四球率を示す「BB/9」は2.02など、軒並み12球団で最高の数値をマークしている。

エース青柳晃洋は防御率2.05、13勝、勝率.765で投手3冠。リーグ防御率2位も2.18をマークした西勇輝で、阪神勢がワンツーを飾ったことは大きいが、決してそれだけではない。

規定投球回には届かなかったものの伊藤将司は9勝を挙げて防御率2.63、21歳の西純矢も6勝を挙げて防御率2.68をマークした。

さらにブルペン陣には信頼の置ける投手が多い。最優秀中継ぎ投手に輝いた湯浅京己は59試合登板で防御率1.09、クローザーも務めた岩崎優は57試合登板で防御率1.96、同じく左腕の岩貞祐太は53試合登板で防御率2.57、高卒6年目だった浜地真澄は52試合登板で防御率1.14だ。これだけのピッチングスタッフを揃えるチームは、長いプロ野球の歴史上でもそう多くない。

ひしめく「第2のJFK」候補

そこで注目されるのが岡田彰布監督の起用法だ。2005年はジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之の「JFK」を勝利の方程式として確立し、チームを優勝に導いた。

現段階では湯浅京己をクローザーに据える構想を練っており、新外国人のジェレミー・ビーズリーもブルペン陣として計算。この中からどういう組み合わせで「第2のJFK」を確立するのか見ものだ。

FA権を取得した岩崎優と岩貞祐太が残留し、現役ドラフトではソフトバンクの大竹耕太郎を獲得。藤浪晋太郎はポスティングでのメジャー移籍を目指しているが、投手陣は戦力ダウンもほぼなく来季を迎えられそうなことは極めて明るい材料と言える。

打撃面や12球団最多タイの86失策を記録した守備面に課題があるとはいえ、軸となる投手陣がしっかりしていれば大崩れはないだろう。

2005年以来優勝から遠ざかる阪神。星野仙一監督の下で優勝した2003年は18年ぶりだった。もし、2023年に優勝すれば18年ぶりとなる。12球団最強投手陣を誇る阪神に「そろそろ」の気配が漂う。

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