初の現役ドラフトは12球団が1巡目指名のみで終了
プロ野球の現役ドラフトが9日、非公開で行われ、12球団が1人ずつ指名した。出場機会に恵まれない選手のために移籍を活性化しようとする試みで、今回が初めての開催。ソフトバンクは日本ハムの古川侑利投手(27)を指名し、大竹耕太郎投手(27)が阪神から指名された。
各球団が提出するリストには、外国人選手や複数年契約選手、年俸5000万円以上の選手、FA宣言したことのある選手、FA資格選手、育成選手など複数の条件に当てはまらない選手の中から選出される。
ただ、他球団からの獲得希望を最も多く集めた球団が暫定指名順位1番目となるため、年俸は安いが環境を変えれば化ける可能性のある選手、素質は高いのにくすぶっている選手などをリストアップした方が、結果的に欲しい条件に当てはまる他球団の選手を獲得できる可能性が高まるということだ。
会見したソフトバンクの三笠杉彦GMは「移籍の活性化については基本的に賛成。12人が新天地に行くことは意義のあることです。一方で移籍の活性化という意味ではひとつのアプローチではあるが、そもそももっと活発に(トレードなどを)やればいいという意見もある」と見解を述べた。全球団が2巡目指名を見送ったこともあり、会議は1時間足らずで終了したという。
有田工出身の古川には中継ぎとして期待
ソフトバンクが指名した古川侑利は、佐賀・有田工から2013年ドラフト4位で楽天に入団。巨人、日本ハムと移籍して通算82試合登板、6勝15敗3ホールドの成績を残している右腕だ。
三笠GMは「以前からホークスとしてもいい投手と認識していた。おそらく中継ぎだと思うが、投手陣の層を厚くする活躍をしてほしい」と期待の弁。古川はプロ10年目にして地元・九州に戻ることになった。
一方、阪神に放出する形となった大竹は、済々黌高から早稲田大を経て2017年育成4位でソフトバンクに入団した左腕。2019年には先発で5勝を挙げたが、今季は一軍で2試合登板にとどまっていた。
本人に電話で伝えたと言う三笠GMは「ここ数年は一軍での登板機会が与えられない状態が続いてたので、いいタイミングだったと思う。タイガースでも経験を活かして活躍してもらいたい」とエールを送った。大竹のコメントは以下の通り。
「大した実績がなかった僕の可能性を見出し、プロ野球選手にさせてくれたホークスには感謝してもしきれません。ホークスには小さな頃からファンクラブに入るほど思い入れがあり、地元・九州ということもあり、ここで育ててもらいプレーしたことは人生の財産です。
個人的には寂しい思いはありますが、選手としては、新天地でひと花咲かせようという気持ちになっています。阪神はホークスと同じようにファンが熱いチーム。伝統もあり、あの甲子園で投げられると思うと今から気が引き締まります。これまでお世話になった関係者の皆さん、応援してくれたファンの皆さん、ありがとうございました。これからも僕らしく頑張ります」
【関連記事】
・阪神とソフトバンクのトレード史、過去には超大物や複数トレードも
・巨人と楽天のトレード史、炭谷銀仁朗を含め最近5年で8件成立
・NPB通算奪三振率ランキング、千賀滉大が野茂英雄を超えて歴代1位浮上