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ロッテ現役ドラフトでオリックス大下誠一郎を獲得、成田翔指名のヤクルトと“三角トレード”

2022 12/10 17:00SPAIA編集部
成田翔と大下誠一郎,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

オリックスはヤクルトの渡邉大樹を指名

プロ野球の現役ドラフトが9日、非公開で行われ、12球団が1人ずつ指名した。出場機会に恵まれない選手のために移籍を活性化しようとする試みで、今回が初めての開催。ロッテはオリックスの大下誠一郎を指名し、成田翔はヤクルトが指名。ヤクルトの渡邉大樹はオリックスが指名したため、結果的には“三角トレード”の格好となった。

各球団が提出するリストには、外国人選手や複数年契約選手、年俸5000万円以上の選手、FA宣言したことのある選手、FA資格選手、育成選手などの条件に当てはまらない選手の中から選出される。

ただ、他球団からの獲得希望を最も多く集めた球団が暫定指名順位1番目となるため、年俸は安いが環境を変えれば化ける可能性のある選手、素質は高いのにくすぶっている選手などをリストアップした方が、結果的に欲しい条件に当てはまる他球団の選手を獲得できる可能性が高まるということだ。

選手にとって出場機会が増えることは大歓迎。今回指名された選手の来季の活躍次第で、その意義はさらに重要性を増すだろう。

プロ初打席本塁打の衝撃デビュー飾った大下

大下誠一郎は白鷗大足利高から白鷗大を経て2019年育成6位でオリックスに入団。2020年9月14日に支配下登録を勝ち取ると、翌15日楽天戦のプロ初打席で辛島航から3ランを放つ衝撃デビューを果たした。

男気溢れる一本気な性格と、ヒーローインタビューでの故郷の北九州弁を交えた受け答えで一躍人気選手となったが、2022年はわずか5試合の出場にとどまっていた。まだ25歳と若いこともあり、持ち前のガッツで再度スポットライトを浴びれば幕張のファンの心をつかむはずだ。

大下は「3年間という短い期間でしたが、育成選手だった自分をここまで育ててくれたオリックスには感謝しています。このターニングポイントをチャンスと捉えて、自分はやるだけだと思っています。今年、悔しい思いをしましたし、来年、絶対にやってやろうという強い気持ちでがんばります」とコメントしている。

プロ野球10万号を喫した成田

一方の成田翔は秋田商から2015年ドラフト3位でロッテに入団した左腕。2017年9月29日のオリックス戦(ZOZOマリン)で、クリス・マレーロにプロ野球通算10万号本塁打を打たれた投手として記録されている。同年のフレッシュオールスターに出場するなど将来を期待されていたが、まだプロで1勝も挙げていない。

成田は「自分の中では少しあるかなという想いはありました。これまで、なかなか一軍でチャンスを掴めなかったので、この新しい制度で新しいチームに移籍をして、しっかりと結果を出すことで7年間、お世話になった千葉ロッテマリーンズに恩返しが出来ればと思っています。東京ヤクルトスワローズは今年もリーグ優勝をしており、若手、中堅、ベテランが切磋琢磨しながら勝っているイメージがあります。自分もその中に割って入ってポジションを勝ち取れるようになりたいです。

ここまで応援をしてくださったファンの皆様には感謝の気持ちしかありません。本当にありがとうございました。新たにセ・リーグで自分らしいピッチングをお見せできるようにしっかりとアピールして頑張ります」とコメントしている。

結果を残せていなかった選手にとって、移籍は野球人生を変えるチャンスになり得る。現役ドラフトを意義のあるものにするためにも、新天地での活躍が期待される。

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