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2022年オリックスのドラフト補強ポイント 意外に手薄な先発陣とセカンド安達了一の後継者

2022 10/15 11:00SPAIA編集部
オリックスの中嶋聡監督
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ⒸSPAIA

人員不足ぎみの先発陣と左腕手薄なリリーフ陣

シーズン最終戦で逆転優勝を果たしたオリックス。パ・リーグを連覇した戦力を持つとはいえ、常勝軍団を構築するにはまだまだ補強ポイントはある。

来季、リーグ3連覇を目指す上で10月20日に開催されるドラフト会議は、戦力強化において最重要の場となる。本稿では、現時点で在籍する選手のポジション・年齢等の分布表から戦力を考察した上で、指名候補も含めオリックスのドラフト補強ポイントを考えていく。

先発投手,ⒸSPAIA


先発投手陣は他球団と比較しても屈指の陣容だ。大黒柱は2年連続投手4冠に輝いた山本由伸。さらに左腕・宮城大弥、2019年に最高勝率のタイトルを獲得した山岡泰輔、今季9勝の田嶋大樹、2021年に8勝を挙げた山﨑福也、今年7月20日の日本ハム戦でノーヒットノーランまであと1人の快投を見せた2021年ドラフト1位の椋木蓮らコマは揃っており、左右のバランスも取れている。

来季も安泰かと思いきや、椋木が9月末にトミー・ジョン手術を受けたため、来季登板できるかは未知数。加えて山﨑颯一郎がシーズン終盤リリーフに回って好結果を残しており、来季はどのような起用になるのか不透明だ。

となると、現状のままでは先発の枚数が不足してしまう。新外国人の補強も考えられるが、今季先発候補として期待された助っ人が全員リリーフ転向を余儀なくされた状況を鑑みると、ドラフトでも即戦力の補強は必要だろう。

リリーフ投手,ⒸSPAIA


リリーフ陣は高齢化が進んでいる。日米通算221セーブの平野佳寿は38歳。今季も28セーブを挙げたが、次期クローザー探しは喫緊のテーマだ。優勝を決めた今季最終戦で最後を締めた阿部翔太あたりはその候補だろうが、適性のある即戦力投手がいれば補強したい。

中継ぎ陣も、今季30試合に登板した比嘉幹貴は12月で40歳になる。32試合登板の近藤大亮も30代。高齢化している上、17人の右腕に対し、左腕は4人しかいない。「勝利の方程式」に組み込めるような即戦力左腕はぜひ欲しいところだ。

捕手は3人併用、層薄い内野陣

捕手,ⒸSPAIA


捕手は中嶋聡監督が伏見寅威、若月健矢、頓宮裕真の3人を併用している。投手との相性もあり、現状では固定化は難しそうだ。本来なら扇の要はどっしり構えるのが理想だけに、優先度は低いが、好素材がいれば獲得したいだろう。

内野手,ⒸSPAIA


内野はサード宗佑磨、ショート紅林弘太郎がレギュラーに定着。ファーストはT-岡田や助っ人外国人、捕手登録の頓宮裕真が守ることも多かったが固定できていない。セカンドは安達了一がいるとはいえ、来年1月で35歳になる。

野口智哉は外野で起用されることも多く、2018年ドラフト1位の太田椋や「最後のPL戦士」中川圭太もレギュラーを狙うが、層の薄さは否めない。外国人との兼ね合いもあるものの、即戦力内野手は補強ポイントのひとつだろう。

外野手,ⒸSPAIA


外野手は実力者が揃っている。今季.447で最高出塁率に輝いた吉田正尚はDHが多いがレフトも守れる。ライトは昨年の本塁打王・杉本裕太郎、センター福田周平は攻守で活躍した。

ただ、外野手登録のT-岡田を含めて、やや高齢化している。来田涼斗や池田陵真ら若手への期待は高いが、光るセンスを持つ素材がいれば補強しておきたい。

白鴎大・曽谷龍平の1位指名を公表

以上のことから、以下の3つを優先補強ポイントとして挙げたい。

1.即戦力となる先発投手
球団は14日、曽谷龍平(白鴎大)の1位指名を公表した。層の薄さが気になる先発陣の補強に乗り出した格好だ。曽谷は150キロ近い速球に切れ味鋭いスライダーが武器で、奪三振能力の高い即戦力左腕。球種の少なさは心配だが、宮城、田嶋らとともに左腕王国を築ける逸材だ。

ただ、希少な即戦力左腕だけに競合も予想される。万が一、競合して抽選を外した場合は、吉村貢司郎(東芝)や菊地吏玖(専修大)ら即戦力右腕を狙いたい。リリーフ陣は左腕が手薄だが全体の枚数は足りているため、中~下位で良い左腕が残っていれば指名する形になるだろう。

2.セカンド安達了一の後継者
ファーストを外国人に任せるとすれば、補強するべきはセカンドだ。安達の後継者としてレギュラーを張れる逸材が欲しい。上位で獲得するなら田中幹也(亜細亜大)、友杉篤輝(天理大)が候補。ともに右打ちで、足と守備なら即戦力として活躍が見込める。3位以降なら林琢真(駒澤大)、村松開人(明治大)の左打ちの俊足巧打タイプが候補となる。

3.打てる捕手
中嶋監督のお眼鏡にかなう捕手はそう多くないかもしれないが、将来も見据えて補強しておく必要はあるだろう。昨年ドラフト3位で国学院大から福永奨を獲得しているため、今年指名するなら高校生の可能性が高い。

打てる捕手の1番手は地元大阪の松尾汐恩(大阪桐蔭高)だが、曽谷の1位を公表した以上、1位候補の松尾の獲得は難しくなった。その他の候補では、夏の甲子園4強の聖光学院高・山浅龍之介、春センバツ4強の浦和学院高・高山維月が強打の捕手として注目されている。

常勝軍団の形成には中長期的視野に立った補強は欠かせない。オリックスが今後も強さを維持するにはドラフトの重要性が高いことは言うまでもないことだ。足りない部分の補強を優先するか、長期目線で好素材を獲得するか判断は難しく、最後まで水面下での駆け引きが続く。

※表の年齢は2022年12月31日時点
※育成選手、引退及び退団が発表された選手は含まず(10月7日時点)

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