ヤクルトはオスナがwRAA2.8
プロ野球はレギュラーシーズンの全日程が終了した。セ・リーグではヤクルトの村上宗隆が最終戦で日本選手最多の56号を放って三冠王を決める劇的な幕切れ。8ゲーム差の2位にDeNA、さらに4ゲーム差で3位に阪神が入った。
SPAIAでは9月27日から10月3日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
ヤクルトはホセ・オスナがwRAA2.8でチームトップだった。16打数5安打の打率.313、2本塁打。9月29、30日の広島戦では2試合連続本塁打を放ち、今季は20本塁打、74打点をマークした。村上が欠場した10月2日の阪神戦では代役4番を務めるなどポイントゲッターとして一定の役割を果たした。
ちなみに三冠王に輝いた村上宗隆はwRAA0.5。前週は-2.03とマイナスを記録するほどの不振だったが、有終の美を飾った。
阪神は中野拓夢、巨人は坂本勇人がチームトップ
V逸となったDeNAはネフタリ・ソトが12球団トップのwRAAは12球団トップの4.7。12打数6安打で打率5割、2本塁打をマークした。2018年から2年連続本塁打王に輝いた助っ人も今季は17本塁打どまりだったが、それでもクライマックスシリーズに向けて調子を上げてきたのは心強いだろう。
阪神は中野拓夢が12打数4安打の打率.333をマークし、wRAA2.6でチームトップ。9月18日のヤクルト戦から7試合連続安打でフィニッシュした。今季は打率.276、6本塁打、23盗塁。昨年獲得した盗塁王はチームメイトの近本光司に譲ったが、リーグ3位の157安打を放つなど上々の成績を残した。CSでも活躍が期待される。
4位に終わった巨人は坂本勇人がwRAA1.0でチームトップだった。10月の2試合は計8打数3安打で終えたが、シーズン通算では83試合出場で打率.286、5本塁打、33打点と物足りない成績。連続2桁本塁打も13年でストップし、16年目は悔しいシーズンとなった。
広島・坂倉将吾も来季につながる好成績
5位の広島は坂倉将吾がwRAA2.0でチームトップだった。ラスト3試合は計10打数4安打、1本塁打を記録し、シーズン通算打率.288、16本塁打、68打点の好成績。佐々岡真司監督は辞任を表明したが、まだ24歳の坂倉にはさらなる飛躍が期待される。
中日はダヤン・ビシエドが19打数7安打の打率.368、1本塁打をマークし、wRAA3.0でチームトップ。来日7年目の今季は打率.294、14本塁打、63打点の成績を残した。
また、DeNA佐野恵太と並ぶ161安打で最多安打に輝いた中日・岡林勇希はwRAA2.8でチーム2位。菰野高から入団3年目の今季はリーグ7位のシーズン打率.291をマークし、将来が楽しみな20歳だ。
2022年もCSと日本シリーズを残すのみとなった。出場するチームの選手はブランク中にいかに調子を上げていけるかが勝負の分かれ目となる。最後にどんなドラマが待ち受けるのか楽しみに待とう。
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