土壇場での勝負強さ光ったオリックス
オリックスが今季ラストゲームでソフトバンクを逆転し、2年連続14度目の優勝を果たした。オリックスは首位と1ゲーム差で迎えた楽天戦(楽天生命パーク)に勝利、ソフトバンクがロッテに敗れ今季勝敗が76勝65敗2分けで並んだが、直接対決で勝ち越していたため、リーグ連覇が決まった。
3位には楽天との熾烈な争いを制した西武が入り、2年ぶりにCSへ進出。昨年まで2年連続2位で今季悲願の優勝を狙っていたロッテは5位に終わり、今季最終戦後のセレモニーで井口資仁監督が辞意を表明した。新庄剛志監督の就任に沸いた日本ハムは、59勝81敗3分けで最下位に終わっている。
SPAIAでは9月26日から10月2日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
オリックスでは宗佑磨がチームトップのwRAA1.1をマークした。活躍が光ったのは9月30日のロッテ戦(京セラドーム大阪)。初回の第1打席に同点に追いつく適時二塁打を放つと、8回の第4打席にもこの日猛打賞となる二塁打で出塁。その後、いずれも勝ち越しのホームを踏み、チームの勝利に貢献した。
また、福田周平も勝負度胸を見せつけた。30日の同戦では、9回裏2死三塁の場面で3ボールからの4球目に意表を突くサヨナラセーフティーバント。最終戦となった2日の楽天戦(楽天生命パーク)では、5回無死満塁から逆転の2点タイムリーで決勝点を挙げた。wRAAは0.1だったが、奇跡の逆転優勝の立役者といえる活躍だった。
満身創痍の柳田悠岐が獅子奮迅の活躍 山川穂高は打撃2冠
惜しくも優勝を逃したソフトバンクだが、柳田悠岐の活躍は目を見張るものがあった。特に、優勝へのマジック1で迎えた1日の西武戦(ベルーナドーム)では1点ビハインドの9回1死から同点の23号ソロ、2日のロッテ戦(ZOZOマリン)でも4回に24号ソロ、8回にもタイムリー二塁打を放った。
むち打ちのような症状を抱えながら連日の活躍で、勝利への執念を見せた主将。今季最終週に6試合を戦い抜き、22打数8安打の打率.364、2本塁打、4打点で、wRAAはリーグトップの3.7をマークした。CSでもチームを背中で引っ張り、日本一を目指す。
3位に滑り込んだ西武は、山川穂高がwRAA3.0でチームトップだった。9月27日のソフトバンク戦(ベルーナドーム)で3年ぶり3度目の40号本塁打を放つと、1日の同戦では、延長11回にサヨナラ41号2ランで本拠地最終戦を白星で締めた。シーズン最終戦は不発だったが、41本塁打、90打点で打撃2冠を獲得。CSでも勝負を決める一発が飛び出すか注目だ。
最終週に1勝5敗と失速し、4位に終わった楽天。新外国人のギッテンスがチームトップのwRAA1.8をマークした。5試合に出場して15打数6安打の打率.400、4打点。来日初出場となった4月5日の西武戦で左手首を骨折するなど、ケガに泣いた助っ人が最終盤にようやく本領を発揮し始めたが、チームの順位を押し上げるには至らなかった。
日本ハム清宮は18本塁打でフィニッシュ
5位のロッテでは井上晴哉がチームトップのwRAA2.7を記録した。5試合に出場し、11打数3安打の打率.273ながら6四球で出塁率は.529をマーク。28日の日本ハム戦(札幌ドーム)では、同点に追いつくタイムリー二塁打とダメ押しの7号3ランを放ち、チームを大勝に導いた。来季は開幕からの打棒発揮が期待される。
最下位に終わった日本ハムでは、清宮幸太郎がwRAA2.8でチームトップだった。3試合に出場し、12打数6安打の打率.500。27日のロッテ戦(札幌ドーム)では自身初のグランドスラムを含む4安打6打点の大暴れだった。今季はともにチームトップとなる18本塁打、55打点をマークした未完の大砲。来季は豪快なスイングをさらに磨き上げ、タイトル獲得を目指したい。
レギュラーシーズンは全日程が終了。仰木彬監督時代の1995、96年以来26年ぶりとなるオリックスの連覇で幕を閉じた。8日からはクライマックスシリーズのファーストステージが始まる。ソフトバンクと西武、チャンピオンへの挑戦権を得るのはどちらのチームか。福岡の地で熱戦が繰り広げられる。
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