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DeNAの快進撃支える明大出身リリーフコンビ 伊勢大夢と入江大生が見せた進化

2022 8/31 11:00林龍也
DeNAの伊勢大夢と入江大生,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

ここにきて盤石のリリーフ陣を形成

いよいよシーズン終盤を迎えるプロ野球。序盤は苦しんだDeNAだが、8月に入って歯車が噛み合い、球団新記録となる本拠地横浜スタジアムで17連勝を達成するなど快進撃を見せている。

そのDeNAを支えるのが、開幕から好投を続けるリリーフ陣。守護神に返り咲いた山﨑康晃に、剛球左腕のエスコバー、そして伊勢大夢、入江大生の若手右腕だ。2人は明治大の先輩後輩で、伊勢が3年目、入江が2年目。この2人の台頭が、リリーフ陣に厚みを持たせている。

セットアッパーへと成長を遂げた伊勢大夢

伊勢は入団以来、リリーフとして着実に結果を残してきた。1年目から開幕一軍を掴むと、33試合で防御率1.80と好投。2年目は一軍と二軍の行き来はあったものの、39試合で防御率2.80という成績を残し、シーズン終盤にはセーブ機会での登板もあった。

迎えた3年目の今シーズンは、開幕から勝ちパターンの一角として活躍。リーグ2位の56試合に登板し、同2位タイの31ホールドをマーク。防御率1.33と抜群の安定感でブルペンを支えてきた。

伊勢の投球成績で一番大きな変化は、被打率だ。昨シーズンの被打率.242から今シーズンは.198と5分近く改善。セ・リーグで40投球回以上の投手に限定すると7位の数字 だ。シンプルに「打たれなくなった」と言える。

同じ条件で見るとK%は28.3%の5位、BB%は7.5%でこちらはやや高め。 これらの数字は昨シーズンから改善はされているものの、そこまで大きな変化ではない。

昨シーズンと比べての変化は、投球術の部分にあるのではないだろうか。例えば、8月16日の巨人戦では2点リードの8回に登板。二死走者なしで迎えた岡本和真に対し、初球にクイックでタイミングを外してファウルを奪った。最終的に三ゴロに打ち取り、三者凡退で役割を果たした。

このほかにも、今シーズンは単純な力勝負で挑むのではなく、場面によって間合いを変えたりするなど、投球術の部分が進化したように見える。"タイミングを変えても乱れない制球力"を身に着けたとも言えるが、いずれにせよ投球の精度が向上したことは間違いなさそうだ。

シーズン途中勝ちパターンに食い込んだ入江大生

2020年ドラフト1位で入団した入江は、1年目から開幕ローテーション入りを果たした。しかし4試合で0勝4敗、防御率7.85 と結果を残せず二軍再調整となり、さらに右肘の手術で残りのシーズンをファームで過ごした。

迎えた2年目の今シーズンは、開幕からリリーフで活躍。当初はビハインドの場面やロングリリーフなどでの登板が多く、そこでも打ち込まれることが多かった。しかし徐々に結果を残し始めると、7月は8試合で防御率0.00を記録した。

転機となったのは8月12日のヤクルト戦。2点リードの8回、一死満塁のピンチで登板してオスナに押し出しの四球を与えたものの、続く代打・山田哲人を153キロのストレートで右飛に打ち取り、リードを守り切った。

気迫を全面に出して投げ込む姿に三浦大輔監督は「木塚コーチみたいな感じの気合い」と、明治大の大先輩でリリーフとして活躍した木塚敦志コーチを引き合いに入江を称賛。以降の勝ちパターン入りを決定付けた。

今シーズンの入江は投球の58%を平均152キロのストレートが占め、140キロを超えるフォークが24%、130キロ台のスライダーが14%となっている。昨シーズンは先発だったこともあり、ここにツーシームも使い、各球種の平均球速も3~5キロほど遅かった。

リリーフに転向し、球種を絞ったこと、ペース配分を考えずに全力投球ができるようになったことが好影響を及ぼしているのだろう。

勝ちパターンの強化が先発の好投を生む好循環

現在のDeNAは先発が5回を投げ切れば、9回の山﨑までを伊勢、入江、エスコバーで繋ぐという形ができている。後ろが強力になったことで、先発も安心して投げることができ、6回、7回と投げる回が長くなるという好循環を生み出しつつある。

9月は30日間で27試合を消化する超過密日程となっているが、それまでに勝ちパターンが強化できたのは好材料だ。

首位ヤクルトとの直接対決は3連敗を喫したものの、ここから逆転優勝を果たすべく、進化した明大出身リリーフコンビがさらなるフル回転を見せてくれることだろう。

※成績は全て8月28日終了時点

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