わずか2球で通算200セーブ達成
DeNAの山﨑康晃投手(29)が24日の阪神戦で通算200セーブを達成した。4-0で迎えた9回2死一、二塁で登板し、糸原健斗をセンターフライ。完封リレーを締めくくり、2者連続本塁打が出れば同点か逆転される場面で抑えればセーブがつくため、わずか2球で今季30個目のセーブをゲットした。
4月26日に日米通算200セーブを達成したオリックス平野佳寿以来、史上8人目。29歳10カ月での到達は、球団の大先輩・佐々木主浩を上回る最年少記録となった。
山﨑は帝京高から亜細亜大を経て2014年ドラフト1位でDeNAに入団。1年目からクローザーとして活躍し、2018年(37セーブ)、19年(30セーブ)には最多セーブに輝いた。
わずか5年で積み上げたセーブは163。名球会入り条件の250セーブは時間の問題かと思われた。しかし、2020年には不調のためクローザーを三嶋一輝に譲り、0勝3敗6セーブ8ホールドに終わった。2021年も中継ぎとして60試合に登板し、3勝2敗1セーブ27ホールド。2022年はクローザーへの復帰を公言して臨んだ決意のシーズンだった。
今季初登板だった3月27日の広島戦、5-4と1点リードした9回に登板し、0.2回3失点で敗戦投手。最悪のシーズンスタートとなり、4月10日にはコロナ陽性判定を受けて登録抹消。ブランクを余儀なくされた。
それでも、4月30日に一軍復帰してからはセーブを積み重ね、首脳陣の信頼も日増しにアップ。暑い夏場も連投を厭わず、ヤクルトを猛追する真夏の快進撃の一翼を担っている。
現役最多はオリックス平野佳寿
名球会入り条件の250セーブ到達はいつになるだろうか。現役最多は日米通算220セーブのオリックス平野佳寿。山﨑は今季中の上積み次第では来季中の到達も不可能ではないだろう。平野の38歳という年齢を考えると追い抜く可能性もゼロではない。
ヤクルト村上宗隆の三冠王や阪神・青柳晃洋、オリックス山本由伸らの勝利数に比べるとあまり目立たないが、今季のセーブ王争いは激烈だ。セ・リーグはヤクルトのスコット・マクガフ、巨人・大勢、中日ライデル・マルティネス、阪神・岩崎優、広島・栗林良吏が激しく争い、パ・リーグも平野や楽天・松井裕樹、西武・増田達至、ロッテ益田直也の4人は誰がタイトルに輝いてもおかしくない。
それだけ各球団がクローザーを固定できているということだろう。実際、松井は通算191セーブ、益田は182セーブ、増田は170セーブをマーク。いずれも名球会予備軍とも言える実績を残している。
勝利数や安打数に比べて歴史の浅いセーブ数で名球会入りしたのは、通算407セーブの岩瀬仁紀、381セーブの佐々木主浩、313セーブの高津臣吾の3人しかいない。245セーブの藤川球児、234セーブで並ぶデニス・サファテと小林雅英も届かなかった。毎日ブルペンで準備し、勝利の重圧とも戦う激務で250セーブを挙げるのは、それだけ高い壁なのだ。
前身球団も含め、プロキャリアをDeNAでスタートして名球会入りした選手は佐々木のほか、平松政次(201勝)、松原誠(2095安打)、石井琢朗(2432安打)、谷繁元信(2108安打)、内川聖一(2185安打)とそうそうたる名前が並ぶ。
山﨑はメジャー希望を以前から公言しており、今後どのようなキャリアを歩むのか分からない。ただ、歴代のレジェンドに続くのに十分な実力の持ち主であることだけは間違いない。
※成績は2022年8月24日現在
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