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中日「希望の星」岡林勇希、佐々木朗希世代のスター候補は三塁打王

2022 8/17 06:00SPAIA編集部
中日ドラゴンズの岡林勇希,ⒸSPAIA
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俊足&強肩&強打でチームに貢献

セ・リーグ最下位に沈む中日の中で、ひと際眩い輝きを放っているのが岡林勇希外野手(20)だ。開幕一軍入りした今季は一度も二軍落ちすることなく、103試合に出場してリーグ11位の打率.283をマーク。主に2番で起用されてきたが、大島洋平がコロナ感染で離脱した8月12日からは1番を務めている。

立浪和義監督へのアピールは打撃だけにとどまらない。7日のDeNA戦では4回2死一、二塁から楠本泰史の安打をつかむと、ライトから糸を引くような返球で本塁を狙った牧秀悟を刺し、さらに7回1死満塁では大和のファウルフライをキャッチして「レーザービーム」という表現がピッタリのダイレクト返球を見せ、タッチアップした楠本を本塁でアウトにした。

1試合で2度の好返球により相手の得点を阻止。7回表まで1-0の接戦だったが、高橋宏斗の4勝目を大きく援護した。12日からの阪神3連戦では3試合連続で盗塁を決め、走攻守で3連勝に貢献。盗塁数ではリーグ6位の13個を記録している。

菰野高時代は甲子園出場なし

三重県出身の岡林は、菰野高時代は甲子園に出ていない。2019年、高校3年の夏は三重大会準決勝で海星に敗れた。そう、大船渡の佐々木朗希(現ロッテ)が岩手大会決勝で投げずに散った、あの夏だ。

同年ドラフトでは、「高校BIG4」と呼ばれた佐々木、星稜・奥川恭伸(現ヤクルト)、創志学園・西純矢(現阪神)、横浜・及川雅貴(現阪神)のほか、東邦・石川昂弥(現中日)、興南・宮城大弥(現オリックス)、青森山田・堀田賢慎(現巨人)、履正社・井上広大(現阪神)、智弁和歌山・黒川史陽(現楽天)、駿河総合・紅林弘太郎(現オリックス)ら高校生が豊作だった。

そんな中、広島・岡林飛翔(引退)を兄に持ち、最速153キロを誇る菰野高の剛腕投手はそれほど注目度が高かったわけでもなく、中日から5位指名を受けた。プロでは野手としてプレーし、1年目から二軍で64試合出場、打率.285、一軍でも6試合に出場してプロ初安打も放った。2年目も二軍でキャリアを積み、一軍でも24試合に出場。そして3年目の今季、大ブレイクを果たした。

三塁打はリーグ1位、犠打はリーグ2位

岡林は三塁打をリーグトップの6本記録している。2位以下に巨人・吉川尚輝、広島・小園海斗、ヤクルト・塩見泰隆ら並み居る巧打者を従えての1位は、俊足の証明とも言えるだろう。

また、犠打数でも広島の「バントの名手」菊池涼介に次いでリーグ2位の20個をマーク。打って走って小技もできる、並外れたセンスの持ち主なのだ。

これまで1番で起用されてきた大島洋平も11月で37歳。大島とともにリードオフマンを務めることの多かった京田陽太も、今季は出番を減らしている。レギュラーが故障などで欠場したのをきっかけに若手がポジションを奪うことは昔からよくある話だ。

無限の可能性を秘める岡林。低迷する中日の貴重なスター候補として、これからどこまで伸びていくのか楽しみでならない。

※成績は2022年8月16日現在

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