村上宗隆がチーム牽引
先週のプロ野球セ・リーグは首位ヤクルトが1勝4敗と停滞し、阪神も6連敗で4位に転落した。逆にDeNAは4勝1敗で2位浮上し、巨人も4勝2敗で3位に浮上した。広島と中日も4勝2敗と星を伸ばし、全体的に差が縮まっている。
SPAIAでは8月9日から14日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。
wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。
ヤクルトは村上宗隆がwRAA4.1でチームトップだった。16打数6安打の打率.375、2本塁打をマーク。12日のDeNA戦では先制の41号ソロを放ち、2打席目以降は3四死球を選んだ。結果的にチームは逆転負けで7連敗となったが、リーグ屈指の長打力と選球眼は暑い夏場でも衰えを見せていない。
14日は無安打に終わったもののチームの連敗はストップ。2位DeNAに敗れれば5ゲームに迫られる状況だったが、7差と安全圏をキープした。8月は3勝7敗と負け越してはいるものの、主砲が自らのバットでチームを引っ張っている。
DeNA佐野恵太は首位打者と逆転優勝へ猛進
DeNAは佐野恵太がwRAA2.6でチームトップ。先週は18打数7安打で打率.389だった。11日の阪神戦では同点14号ソロを含む4打数2安打で勝利に貢献。打率.325でリーグトップを走っており、2年ぶりの首位打者とチームの逆転優勝に向け、ここからが正念場だ。
セ・リーグトップのwRAA6.3をマークしたのが巨人・中田翔だ。22打数11安打で打率5割、3本塁打7打点と絶好調。12日の広島戦では14号2ランを含む4打数3安打2打点の活躍を見せるなど、8月は月間打率.444と調子を上げている。不動の4番だった岡本和真が不振のため6番に降格したが、代役4番として十分な働きだ。
6連敗の阪神はロハス・ジュニアがチームトップのwRAA2.6だった。スタメン出場は2試合だけだったが、10打数5安打をマーク。14日の中日戦では一時は同点に追いつく7号3ランを放つなど4打数2安打3打点の活躍だった。大山悠輔、近本光司、中野拓夢ら主力がコロナ感染で離脱する非常事態。再び借金生活に逆戻りしており、チームの総力を結集して踏ん張るしかないだろう。
広島・西川龍馬は復帰後好調、中日・岡林勇希も成長の跡
4勝2敗だった広島は、西川龍馬がwRAA3.8でチームトップだった。11日のヤクルト戦では7号3ランを含む4打数2安打3打点を記録するなど、計24打数11安打の打率.458。一軍に復帰した8月6日以降は打率.438と打ちまくっている。
最下位に低迷する中日では、菰野高から入団3年目・岡林勇希の成長が明るい材料だろう。先週は23打数10安打の打率.435。14日の阪神戦では5打数3安打1打点で勝利に貢献し、コロナ感染した大島洋平に代わる1番として気を吐いた。6試合で計3盗塁をマークし、守備でも好プレーを見せるなど、走攻守で高いポテンシャルを示している。
疲労が蓄積するシーズン終盤で各チームともコロナ感染者が続出するなど予断を許さない状況。独走するヤクルトがこのままゴールテープを切るか、はたまた大逆転が待っているのか。ここからが本番だ。
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