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日本ハム宮西尚生、15年連続50試合登板は「風前の灯火」も鉄腕の意地を見たい

2022 8/14 06:00SPAIA編集部
日本ハムの宮西尚生,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

日本タイ記録は事実上「赤信号」

日本ハムの「鉄腕」宮西尚生投手(37)が目前に迫っていた偉業が「風前の灯火」となっている。今季ここまで24試合に登板して0勝3敗1セーブ7ホールド。プロ1年目から14年連続50試合登板を記録し、日本タイ記録の「15年連続」に王手をかけているが、8月10日に登録抹消されて極めて厳しい状況となったのだ。

今季は5月末までに20試合に登板したが、5月28日の巨人戦、同31日の広島戦で失点するなどピリッとせず、6月1日に二軍落ち。新庄剛志ビッグボスの指令でファーム調整を余儀なくされ、7月29日にようやく一軍復帰した。しかし、復帰後も4試合に登板したのみで再び二軍落ちした。

チームは残り38試合のため、宮西が50試合登板を果たすには一軍復帰して残り全試合に近いペースで登板する必要があり、事実上「赤信号」と言っても過言ではない。偉大な足跡を残してきた「鉄腕」にとっては厳しい現実だ。

本拠地移転の記念すべきシーズンに向けて

関西学院大から日本ハムに入団したのが2008年。左のサイドスローとしてストレート、スライダー、シンカーの3球種だけでパ・リーグの強打者を抑え込んできた。2016年、18年、19年には最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得。5月21日の西武戦でNPB史上8人目、日米通算では岡島秀樹と藤川球児を加えて史上10人目の800試合登板を果たし、NPB史上最多の380ホールドを挙げている。

すでに輝かしい実績を残している宮西だが、もうひとつ、目前に迫っていたのが岩瀬仁紀の持つ15年連続50試合登板だ。岩瀬は1年目の1999年からセットアッパーとして活躍し、2004年からクローザーに転向。その後も2013年まで50試合以上に登板し、16年目に途絶えたものの、2018年に引退するまで史上最多の通算1002試合登板、407セーブをマークしたレジェンドだ。

宮西は2020年オフに2年契約を結んでおり、今季推定年俸はチームトップの近藤健介(2億5500万円)に次ぐ2億5000万円。中継ぎの待遇向上に大きく貢献してきたが、今のままでは来季の減俸は避けられないだろう。

しかも来年は新本拠地「ES CON FIELD HOKKAIDO(エスコンフィールド北海道)」が開業するため、日本ハムだけが他球団より1日早い3月30日に開幕する(対戦相手未定)。野球ファンの注目を一身に浴びる記念すべきシーズン開幕を気持ちよく迎えるためにも、今季の残り試合をどう過ごすかは重要だ。

極めて可能性は低いとはいえ、ファンは最後までベストを尽くすベテランの姿を見たいだろう。大卒で社会人を経てプロ入りした岩瀬が、1000試合登板を達成して引退したのは43歳だった。宮西も肉体的な衰えに抗いながら「鉄腕」のプライドを貫いてほしい。

※成績は8月13日現在

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