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60本超え?3試合連続マルチ? 5打席連発のヤクルト村上宗隆に期待される次なる本塁打記録

2022 8/6 11:00勝田聡
東京ヤクルトスワローズの村上宗隆,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

22歳にして史上初の5打席連発

村上宗隆(ヤクルト)が5打席連続本塁打の日本新記録を達成した。王貞治(巨人)やバース(阪神)でも達成できなかった偉業を22歳の若武者がやってのけたのだ。7月31日の阪神戦で、第3打席から追撃、同点、勝ち越しと3打席連続本塁打を放ち、8月2日の中日戦でも第1打席、第2打席で本塁打を放ち記録を更新。まさに鬼神のごとく打ちまくった。

振り返ってみると村上は1年目の初打席初本塁打にはじまり、なにかと本塁打の記録を樹立してきた。昨年も史上最年少となる21歳7ヶ月で通算100本塁打を達成。今年5月には球団初となる2試合連続満塁本塁打を記録するなど、数え上げればきりがない。これから先も様々な記録を打ち立ててくれそうだ。

現在58本ペースで60本も射程圏内

そんな村上に期待したい記録のひとつがシーズン最多本塁打の更新だろう。NPBのシーズン最多本塁打は2013年にバレンティン(ヤクルト)が記録した60本。8月4日終了時点で村上は39本でヤクルトは96試合を消化したところ。つまり残り47試合で21本放てば60本に到達し、22本以上で新記録達成となる。

現在のペースでいくと村上は143試合換算で58本となる。十分に射程圏内といってもいい。日本人選手の最多本塁打記録は1964年に王が放った55本。またヤクルトにおける日本人選手の最多本塁打は、2004年に岩村明憲(現BC福島監督)が記録した44本となっている。まずは球団の日本人記録となる岩村の44本を超えることが、最初のステップとなる。

ちなみにMLBでは2001年にバリーボンズ(ジャイアンツ)が記録した73本が最多。試合数の違いもあり、こちらの更新は難しそうだ。また韓国プロ野球(KBO)では、日本でもロッテや巨人などでプレーした李承燁が2003年に記録した56本が最多となっている。

シーズン最多本塁打記録,ⒸSPAIA


月間記録は18本、1試合最多は4本

その他にも村上に期待がかかる本塁打の記録は多くある。

まずは月間記録。NPBの月間最多本塁打は2013年8月のバレンティンによる18本となっている。村上の月間最多本塁打は今年6月の14本塁打(23試合)。8月は現時点で26試合が予定されており、同等のペースなら16本を積み重ねることになる。こちらも更新可能な範囲と言えそうだ。

試合単位で見ると、1試合4本塁打の期待もかかってくる。村上は7月31日の阪神戦で3打席、8月2日の中日戦で2打席と、2試合にまたがって5打席連続本塁打を記録した。村上自身が1試合3本塁打を記録したのは、この7月31日の阪神戦が初めてだった。

NPBで1試合における最多本塁打は4本となっており、1964年の王ら5人が達成。ヤクルトでも古田敦也が2003年に1試合4本塁打を記録している。

3試合連続複数本塁打は筒香嘉智のみ

今回の村上は2試合連続複数本塁打を達成したことになるが、これは自身2度目のこと。連続試合複数本塁打のNPB記録は、2016年に筒香嘉智(当時DeNA)が記録した3試合連続だ。今回は惜しくも達成できなかったがまだまだチャンスはあるだろう。

また本塁打の連続試合記録は1972年の王、そして1986年のバースによる7試合。球団記録は2017年のバレンティンや2003年のラミレスら7人の選手による5試合連続だが、日本人選手はそのなかにひとりもない。これはセ・リーグではヤクルトだけ。日本人選手による球団初の5試合連続本塁打も村上ならやってくれそうだ。

そして通算記録。現時点で143本。王の868本までは残り725本もある。まだまだ先の話となるが、村上ならもしかして……思わせてくれるのもまた事実。これから先、どのような推移で本塁打を量産していくか楽しみは尽きない。

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